Nik Silver Efex で、モノクロ写真を再発見しましょう。多くのプリセット、グローバル調整や選択的調整、フィルター、カラーエフェクト、トーニング、銀塩フィルムのシミュレーションなどのツールだけでなく、仕上げ用のツールも使用できます (ヴィネット、周囲焼き込み、画像枠など)。
可能性は無限大に広がります。すぐに使用できる繊細なプリセットを適用したり、お好きなようにプリセットを変更したり。ゼロから自分で仕上がりを作り上げることもできます。 それを Nik Silver Efex のユーザーとシェアすることも可能です。
重要
このページでは Nik Silver Efex の特有の機能とツールを紹介します。 他の Nik Collection プラグインでも共通するすべてのツールは、このユーザーガイドのインターフェイスと共通ツールページで説明します。 ここでは、以下の点に関する情報を見つけることができます。
- 環境設定
- インターフェイス
- カテゴリー、フィルタ、プリセット管理
- 部分調整
画像を開く
Nik Silver Efex で画像を開いた状態では、画像はプリセット「000 ニュートラル」を使ってモノクロに変換されています。右側ウィンドウのすべてのツールの値は初期設定の「0」になっており、銀塩フィルム効果は何も適用されていません。
右側のパネルには上から順にグローバル調整と部分調整セクション、およびルーペとヒストグラムが配置されています。
- ルーペ
- ヒストグラムとゾーンシステム
- グローバル調整: 明るさ、コントラスト、ストラクチャや階調保護などのグローバル調整スライダを使用できます。
- 部分調整: コントロールポイント、ライン、ポリゴン、および明度マスクの作成と管理。
- ClearView: 大気によって発生する「かすみ」や「もや」の補正ツールです。
- カラーフィルタ: 光学フィルタを再現できるカラーフィルタです。
- フィルムタイプ: Nik Collection が受け継ぐ銀塩フィルムの再現ツールです。
- フィルムグレイン: DxO が開発した銀塩フィルムの再現ツールおよびグレインの調整関連のツールです。
- 最終調整: 最終仕上げ (トーニング、ヴィネット、周囲焼き込み、画像の枠線) ツールです。
- [プリセットの保存] ボタン: 調整をカスタムプリセットとして保存できます。
Nik Silver Efex プリセット
Nik Silver Efex では、左側パネルからカテゴリーごとに整理された 64 種類のプリセットを使用できます。カテゴリーは以下のようになっています。
- Nik: このボタンをクリックすると、[プリセット] セクションにすべてのプリセットのサムネイルが表示され、スクロールで確認できます。
- クラシック
- モダン
- ストリート
- ヴィンテージ
- 風景
- ポートレート
- ティント
- パーソナル、カスタム、読み込みカテゴリーにはあなたの個人用のプリセットが含まれます。
Nik Silver Efex プリセットを適用する際は、サムネイルをクリックすると、右側ウィンドウのツールに適用した効果の設定が表示されます。
全体および部分調整ツール
Nik Silver Efexでは、使用できるすべてのツールが右側パネルに常に表示されます。ツールの設定は、左側パネルで選択したプリセットに応じて変わります。
このセクションでは、画像のグローバル調整、部分調整を含む、これらすべてのツールを説明します。
これらのツールは、画像を開いた際に適用される既定のプリセット (プリセット 000 ニュートラル) または左側ウィンドウで選択したプリセットをベースに使用できます。
- グローバル調整
- 部分調整
- ClearView
- カラーフィルタ
- フィルムタイプ
- フィルムグレイン
- 最終調整
ゾーンシステム
ヒストグラムの上に、0~10 の数字のついた四角形が並んでいます。 これは「ゾーンシステム」と呼ばれ、四角の 1 つをクリックすると、そのレベルに該当する明るさの画像領域がカラーマスクで濃淡に表示されます。 ゾーン「0」は黒、ゾーン「10」は白に相当します。このスケールを使うことで、画像の階調を調整しやすくなります。クリッピングトーンがないため、ディテールを失うことがありません。
ゾーンシステムは既定で有効になっています。 一番左の四角形をクリックすると無効にしたり、再度有効にしたりできます。 ゾーンシステムはヒストグラムのどの表示モード (RGB、R、G、B、L) でも利用できます。
グローバル調整
[グローバル調整] セクションでは、画像の階調、明るさ、コントラストやディティール、テクスチャの補正や調整ができます。これには、次の 4 つのグループのスライダを使用します。
- 明るさの調整 :
- 輝度: 画像の輝度を調整します。 スライダを左に移動すると画像が暗くなり、右に移動すると明るくなります。
- ハイライト: 画像のハイライト部の明るさを調整できます。
- 中間調: 画像全体の中間調領域の明るさを調整できます。
- シャドウ: 画像のシャドウ部の明るさを調整できます。
- 明るさの自動調整: 画像内のそれぞれの部分に、自動的で適応する独自のアルゴリズムを使用します。 このスライダは、画像の幅広いディテールを維持し、コントラストを保持し、画像のそれぞれの部分に異なる明るさの値をインテリジェントに適用して、より高度な明るさの調節ができます。 スライダを左に移動すると、ハイライト部のディテールを保持したまま画像全体を暗くできます。 スライダを右に移動すると、シャドウ部のディテールを保持したまま画像全体を明るくできます。
- コントラストの調整 :
- コントラスト: このスライダでは画像全体のコントラスト (暗い領域の強さとハイライト領域の明るさの差) を調節できます。
- 白色の増幅: このスライダは、画像のハイライト部に対して独自のコントロールを実現するアルゴリズムを使用しています。 スライダを右に移動すると、画像の各領域の明るい部分をさらに明るくできます。 このアルゴリズムは部分ごとの違いを考慮して計算するため、それぞれの部分に最適な効果が適用されます。
- 黒色の増幅: [白色の増幅] スライダと同様、このスライダも画像の階調をコントロールする独自のアルゴリズムを使用しています。 スライダを右に移動すると、画像の各領域の暗い部分をさらに暗くできます。 このアルゴリズムは部分ごとの違いを考慮して計算するため、それぞれの部分に最適な効果が適用されます。
- ソフトコントラスト: このスライダは、従来のコントラスト調整より「ソフト」なコントラストで広範な調整を行うことを目的にしています。
- 構造の調整 :
- ストラクチャ: 画像の全体的なストラクチャを調整します。 調整を強めるとディテールとテクスチャを強調し、調整を弱めると細かいディテールを押えて滑らかな表面になります。
- ハイライト: 画像のハイライト領域の構造を部分的に調整します。
- 中間調: 画像の中間調の構造を部分的に調整します。
- シャドウ: 画像の暗い領域の構造を部分的に調整します。
- 黒: 画像の最も暗い領域を部分的に調整します。
- 詳細構造: ストラクチャスライダに似たスライダで、画像のより細かいディテールを調整します。
- 階調保護: [階調保護] のスライダは、明るさやコントラストの調整で失われたシャドウ部とハイライト部のディテールを回復します。
- シャドウ: スライダを右に動かすと、シャドウ部のみを明るくし、画像内の暗くなりすぎてしまった部分のディティールを回復できます。
- ハイライト: スライダを右に動かすと、ハイライト部のみを暗くし、画像内の明るくなりすぎてしまった部分のディテールを回復できます。
部分調整
部分調整を使うと、画像の一部を変更できます。 コントロールポイント、コントロールライン、コントロールポリゴンまたは明度マスクを追加して該当のスライダを調整すると、部分調整ツールでカバーされた要素または領域だけが影響を受けます。
部分調整スライダ
部分調整を使用すると、部分調整ツールのリストの下に関連するスライダが表示されます。 これらのスライダは、画像上のツールのドットにも直接表示され、そこからも使用できます。 ドットに直接表示されるスライダを動かした場合、右側のウィンドウの該当スライダも動きます (逆の場合も同じです)。
部分調整のすべてのスライダと同等のスライダを、グローバル調整でも使用できます (ただし、輝度、クロミナンス、拡散、選択部分のカラー化は除く)。
スライダには次の項目があります。
- 色の選択:
- Lm (輝度)
- Chr (色収差)
- Df (拡散)
- 部分調整の標準スライダ:
- Br (明るさ)
- Ct (コントラスト)
- Str (ストラクチャ)
- AW (白色の増幅)
- AB (黒色の増幅)
- FSt (詳細構造)
- StC (選択部分のカラー化)
- 選択的トーン補正 :
- ST HI (ハイライト)
- ST Md (中間調)
- ST Sh (シャドウ)
- ST Bl (黒)
選択部分のカラー化
[選択部分のカラー化] スライダでは、モノクロ写真において、部分調整を配置した画像の領域の色を回復します。 これにより、例えば、画像の特定の要素やディティールを強調することができます。
もちろん、複数の部分調整の効果を、モノクロディスプレイマスク、[色の選択] スライダを使って、まとめて微調整することもできます。
ClearView
ClearView を使うと、特に遠景写真で画像を大きく損ねる白いモヤや霧を補正できます。 黒レベルを回復することで、このツールは画像のコントラスト、マイクロコントラスト、彩度を回復します。 また、ClearView を使うと、明るい天候で撮影された画像のインパクトを強めることもできます。
強さスライダ (既定では 0 に設定) を使って、0~100 の幅で DxO ClearView Plus の効果を調整できま す。
カラーフィルタ
[カラーフィルタ] セクションでは、撮影する被写体に合わせてモノクロフィルムのコントラストを変えるために (空と雲の輝きを強める、肌に一層の輝きを与えるなど)、フォトグラファーがかつてレンズの上から取り付けていたカラーフィルタの仕上がりを再現できます。
- カラーフィルタ: [カラーフィルタ] (赤、オレンジ、黄、緑、青)から1つをクリックして、モノクロ変換の際に適用するカラーフィルタの再現を簡単に選択します。 選択したフィルタは、 [色相] スライダと [適用量] スライダを自動的に設定します (以下を参照してください)。 1つ目のフィルタはニュートラル(スライダは「0」)になっているため、自由に色相と適用量を設定できます。
- 色相:シミュレーションしたフィルタの色を調整し、画像内の色同士の関係を調整できます。 選択された色相と同じ色相を持った被写体は明るくなり、その色相と補完的な関係にある色相の被写体は暗くなります。
- 適用量:このスライダを左に移動すると、色のコントラストは小さくなり、右に移動すると色のコントラストが大きくなります。
フィルムタイプ
Nik Silver Efex では、グレイン、コントラスト、色への感度などのモノクロフィルムのあらゆる特長を再現できる、幅広いモノクロフィルムのシミュレーションを使用できます。 これらの特長は、このセクションで使用できるツールを使って好きなように調整することもできます。
画像に特定の仕上がりを適用したり、シャープネス不足やノイズ(およびディティール)を滑らかにしすぎたことによる特定の問題をグレインを使って隠したり、デジタル写真の完璧すぎる仕上がりから抜け出したりすることができます。
- ドロップダウンメニューの [ニュートラル] :ISO 感度別にグループ化されたモノクロ写真シミュレーションから選択できます。 仕上がりをリアルタイムですばやくプレビューするには、リストの上でマウスを動かします。選んだフィルムの仕上がりを適用するには、フィルム名をクリックします。
- [以前のフィルムグレイン] セクション:フィルムのグレインを変更できるスライダがあります(スライダは、選択したフィルムに応じて事前調整されています)。
- ピクセルあたりのグレイン数:画像に適用されるグレイン効果を調整します。 スライダを左に移動すると、グレインがより粗くなり、右に移動すると粒子がより細かくなります。
- グレインの強度:グレインのストラクチャの間隔と見え方を調整します。 左側 (ソフト) に動かすとグレインがよりソフトなり、右側 (ハード) に動かすと、よりハードになります。
- [感度] セクション:選択したフィルムの感度を、画像の異なる色感度に変更できます。 選択したフィルムに応じて、スライダは事前設定されています。6 色の各カラーチャンネルで、スライダを左に移動すると該当する色の被写体が暗くなり、右に移動すると明るくなります。
- [レベルとカーブ] セクション: 選択したフィルムのコントラストと階調の反応を調整できます。選択したフィルムに応じて、カーブはプリセットされています。 カーブをクリックしてアンカーポイントを追加し、画像の明るさ、コントラスト、階調値の関係を調整します。 レベル調整はカーブの下にあり、シャドウ、中間、ハイライトゾーンの値の階調をコントロールできます。 アンカーポイントをリセットするには、削除するアンカーポイントをダブルクリックします。
フィルムグレイン
[グレイン] セクションでは、信頼性、動作、そしてリアルな効果で評価の高い DxO が作成した、銀塩フィルムのシミュレーションを選択できます。
- メニュー [オリジナル] :メーカー別にアルファベット順に分類されたリストから、フィルムタイプを選択します。
- 強さ:画像のグレインの存在を強調したり低減したりできます。
- グレインのサイズ:グレインの細かさを調整します (左側に動かすとより細かく、右側に動かすとより大きくなります)。
最終調整
[最終調整] セクションは、クリエイティブなセクションです。トーニング、ヴィネット、周囲焼き込み、画像枠などの効果を適用できます。
- トーニングセクション:このセクションのツール (左側の矢印をクリックすることですべて表示/非表示できます) は暗室のトーニング技術を使ってモノクロ画像に着色することができます。
- トーニングドロップダウンメニュー:デフォルトでニュートラル (無色) に設定されています。 リストにマウスを合わせると、画像にリアルタイムで効果が表示されます。 トーニングをクリックすると、トーニングを選択して適用できます。
- 適用量:画像全体に適用するトーニングの量を調整できます。このスライダは銀の色相と紙の 色相 (後述します) の調整にも作用します。
- 銀の色相:フィルム上のシルバーグレインのように、濃いトーンの置き換えを設定します。
- 銀の色強度:暗いトーンの強さを調整します。
- バランス:暗いトーン(銀)と明るいトーン(紙)で適用される色相の組み合わせのバランスを調整します。 スライダを 0% に設定すると、 [銀の色相] と [紙の色相] の中間で色をブレンドします。スライダを左に移動すると [銀の色相] に適用された色が優勢になり、右に移動すると [紙の色相] に適用される色が優勢になります。
- 紙の色相:紙の白色に関連づけ、明るい色を置き換える色相を設定します。
- 紙の色強度:明るいトーンの強さを調整します。
- [ヴィネット] セクション:このツールを使うと (すべてのオプションを表示/非表示にするには、左側
の矢印をクリックします)、画像の周縁部を暗くしたり明るくする効果を適用でき、ヴィンテージ効果を加えたり、被写体に注目を集められます。
- [ヴィネット] のドロップダウンメニュー:初期設定では [無効] (ヴィネットなし)に設定されています。リストの上でマウスを動かすと、画像上で効果をリアルタイムで確認できます。 効果をクリックすると、効果を選択して適用できます。
- 量:適用される [ヴィネット] の強さを調整できます。 スライダを左に移動すると、ヴィネット効果が黒くなり、右に移動すると白くなります。
- シェイプ:ヴィネットの形を、円形と長方形の間で変更できます。 サイズ:画像内で [ヴィネット] 効果がかかる範囲を調整できます。
- 中心を決める:このボタンをクリックすると、中心をずらしてヴィネット効果を配置できます。 カーソルが [+] になり、画像内でヴィネットの中心となる部分をクリックして設定できます。 位置を変更するには、ボタンをもう一度クリックして同じ操作を繰り返します。
- [周囲焼き込み] セクション: このツール も暗室の技術からインスピレーションを受けています。ヴィネットセクションのツールを使うよりも画像の周囲をより暗くできます。 ヴィネットとは違い、エッジごとに作業をしたり、ヴィネット効果と組み合わせたりできます。すべてのオプションを表示/非表示にするには、左側の矢印をクリックします。
- [周辺焼き込み] ドロップダウンメニュー: デフォルトではオフで、ロールオーバープレビューと 4 つのアプリケーションのエフェクトを提供します。
- エッジの選択ツール:個別に作業をしたい画像のエッジを選択して調整できます。
- 適用量:選択したエッジで焼き込みを行ってエッジを暗くする量を調整できます。
- サイズ:周囲焼き込みの範囲を調整します。
- ぼけ幅:暗くする効果と元の画像のブレンドの幅を調整できます。
- [画像枠] セクション:左側の矢印をクリックして、すべてのツールを表示または非表示にします。 このセクションで提供される枠は、現像ラボで使用されていた拡大手法に由来します。
- [周辺焼き込み] ドロップダウンメニュー:デフォルトではオフで、メニューには枠のリストがあり、マウスをホバーするとプレビューが表示され、クリックすると適用されます。
- サイズ*:画像に追加される画像枠の幅を調整できます。
- スプレッド:スライダを右に移動すると、画像の枠線がぼかしのように画像内に広がります。
- 粗さ:画像の周りのランダムなディテールを調整できます。 スライダを右( [クリーン] から [ラフ] 方向)に移動すると、画像枠により多くのランダムなディテールが作成されます。
- [枠線の変化] ボタン:画像ごとにランダムな画像枠を作成できます。 このボタンをクリックすると、ランダムな画像の枠線の数値が作成されます。 同じ画像の枠線を後でもう一度作成したい場合、数字、サイズ設定、スプレッド、粗さの仕上がりをメモしておきます。 似ているものの画像ごとに違いがある枠線にしたい場合、サイズ、スプレッド、粗さの値は同じにして、異なる画像の枠線の数字を選択します。