最終更新 October 21, 2024
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[カスタマイズ] タブについて

[設定] タブには、DxO PhotoLab のすべての編集と修正ツールが含まれています。

この章では、DxO アドバンスワークスペースを使用するときに配置されているすべてのツールについて学びます。

左ペイン

[設定] タブの左ペインには、次のパレット (上から下) が含まれています。

ヒストグラム

RGB ヒストグラム
[ヒストグラム] チャートには、各カラーの輝度ごとのピクセル数が表示されます。
RGB チャンネルと輝度チャンネルは個別にも表示できます (Microsoft Windows および macOS)。
CMYK ヒストグラム
これは、CMYK プロファイルの画像のヒストグラムを示しています。輝度レベルがシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのチャンネルで示されています。

ヒストグラムについて

ヒストグラムは、画像を効果的に修正するために、写真の露出がどうなっているかを判断する最も便利な方法です。 簡単に言うと、ヒストグラムは輝度レベルごとのピクセル数を示すグラフです。縦の線が大きいほど、より多くのピクセルがその明るさのレベルにあるということになります。 ヒストグラムを右にシフトすると、画像が明るくなり、 逆に、左にシフトするほど暗くなります ヒストグラムが左から右に広がっている中で、中央に適切なピーク(ミッドトーンに対応) がある場合、露出には広いダイナミックレンジがあり、バランスが取れていると考えられます。

RGB と L チャンネル

DxO PhotoLab のヒストグラムツールは、各カラーチャンネルの明度値を計算し、同じチャート上に重ね合わせて表示していますが、 チャートの右側にあるボタンをクリックして、チャンネルごとに表示することもできます。

画像上にマウスポインタがある場合は、ヒストグラムの形でパレットが表示され、マウスポインタを重ねた領域の特徴を示します。 この小さなゾーンの正確な色はコピーされて正方形の中に拡大表示されます。その横には RGB (レッド、グリーン、ブルー) 値が表示されます。値は 0 ~ 255 です。

CMYK チャンネル

DxO PhotoLab のヒストグラムは CMYK プロファイル (シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック) の画像の各チャンネルの明度値の分布を計算して表示します。 パレットの下部にあるボタン (PC ではヒストグラムの上、Mac ではヒストグラムの下) を使って各チャンネルを個別に表示できます。

クリッピング

輝度レベルがヒストグラムの一番左 (ブラックポイント) または一番右 (ホワイトポイント) を超えていると、黒潰れや白とびを起こします。 この状態、またはこれに近い状態のピクセルは「クリッピング」呼ばれています。 もちろん、画像の極端なゾーンにあるディテールを保持するためにも、このような状況は避けることが望ましいと考えられます。 そのため、DxO PhotoLab のヒストグラムチャートの下に 2 つのツールが用意されています (2 つのアイコンで表示)。

ローライトとハイライトのクリッピング部分が偽色として表示される

3 色すべてのカラーチャンネルが飽和していて白とびを起こす場所は、画像上で黒く塗りつぶされます。1 色でもカラー情報が 残っている場合は別の色で表示されます。

移動/ズーム

パレットでは、プレビューでマウスを使って移動できる長方形を使用して、ズームインした状態で画像をナビゲートできます。 長方形はビューアーで表示される部分を正確に表し、長方形の動きに表示が追随します。

履歴

用途と機能

[Advanced History] パレットは [設定] タブの左側のウインドウにあり、画像に対して実行されたすべてのワークステップと補正が表示されます。これには、DxO PhotoLab で画像を開いた日付やデフォルトで適用された自動補正のプリセットも含まれ、時系列の降順に表示されます (直近のステップが一番上)。 これらの情報は、すべて DxO PhotoLab のデータベースにリアルタイムで登録され、ユーザーが操作をする必要はありません。

利用

履歴には様々な利用方法があります。

保存された情報の性質

DxO Advanced History のパレットは、次の情報を保存します。これらの情報はプログラムを閉じる際に保存されます (Macのみ)。

ステップ数を制限する (Mac)

DxO PhotoLab のデータベースに保存される履歴には、プログラムの反応スピードに大きな影響を与える情報量が含まれています。 Mac では、 [詳細プリファレンス] の [詳細プリファレンス] タブの [履歴項目] セクションで、ステップ数を制限できます。 初期設定では、入力数は 100 に設定されています。 利用可能な値は 10~無制限です。

履歴機能を使用する

履歴をさかのぼって比較する

特定の補正段階での画像の状態を確認するには、Advanced History パレットの内容をスクロールします。特定のステップをクリックすると、その補正段階の状態へと画像が戻り、関連するサブパレットとツールには、その段階で適用されていた設定と値が表示されます。 前後の段階をクリックしたり、特定のツールの異なるステップをさかのぼったりすると、ビューアーでリアルタイムでその段階の画像を確認できます。

履歴の消去(Mac)

履歴の 1 つまたは複数のステップだけを消去することはできません。 なぜなら、各補正はその他の補正に関連して実行されているからです (たとえば、ホワイトバランスを調整してから色の補正している場合、ホワイトバランスのステップを削除しても意味がありません)。

特定の補正を再調整したい場合、対象のツールで調整や値を変更します。 この場合、このアクションが履歴リストの一番上に表示されます。

また、履歴全体を削除することは可能です。 履歴パレットの一番下で、 [履歴をクリア] をクリックします。 「この操作は、やり直しがききません。実行しますか。」というメッセージで [はい] をクリックすると、パレットの内容が空になり、 [消去済みの履歴] というス テップだけが表示されます。

重要: 履歴を削除しても、補正や設定が削除されたり、リセットされることはありません。

もちろん、履歴を削除した後も、新しい補正を画像に適用すると、新たな履歴が保存されます。 その場合、履歴に表示されるステップと値は、このアクションから再スタートします。

プリセットエディタ & プリセット

DxO PhotoLab プリセットについて

[プリセット適用] ウィンドウ

プリセットでは DxO PhotoLab 内の画像に一度にすべての補正を適用できます。 プリセットによく使う補正項目を保存しておくことで、簡単に補正項目を適用することができます。

DxO PhotoLab には大きく 2 種類のプリセットがあります。

DxO PhotoLab で最初に画像を開くと、デフォルトでフルプリセット [DxO スタイル – ナチュラル] が自動的に適用されます。 プリファレンスを開いて、他のプリセットをデフォルトプリセットに設定することもできます。

用意されているプリセットの使用

DxO PhotoLab では 1 + 10 のカテゴリに分類されたフルプリセットが用意されています。

汎用プリセット

汎用プリセットには 6 つのプリセットがあります。

プリファレンスでデフォルトプリセットに別のプリセットを選択できます。 デフォルトプリセットを変更しても、すでに処理済 みの画像には影響しません。

ポートレートと風景

ポートレートと風景のカテゴリには 8 つのプリセットがあります。 ポートレートプリセットの場合はコントラストが抑えられ、肌のトーンに最適になります。 風景プリセットはコントラストや彩度が上がります。

モノクロ

モノクロのカテゴリには、コントラスト表現の異なる 8 種類のプリセットがあります。 このカテゴリにはポートレートや風景に適したプリセットもあります。 またドラマチックな効果を出すプリセットもあります。

雰囲気

雰囲気のカテゴリには、トーニングの異なる 8 種類のプリセットがあります。 このプリセットはカラーやモノクロ両方に適用できます。

ハイダイナミックレンジ (シングルショット HDR)

このカテゴリには、HDR 効果をシミュレートする 4 種類のプリセットがあります。特別なソフトウェアや 32 ビットファイルを使うことなく、トーナルレンジを再配分してダイナミックレンジを広げます。 シングルショットプリセットは、異なる露出の複数の写真を統合する必要はなく、RAW や JPEG ファイルに利用することができます。

スマートフォン

このカテゴリーには、スマートフォンで撮影された画像に対して最適な 2 つのプリセットが用意されています。

DxO FilmPack デザイナーズ – モノクロ/カラー/モノクロフィルム/カラーフィルムおよび DxO FilmPack タイムマシン

DxO FilmPack がインストールされている場合、デザイナーズプリセットを利用できます。デザイナーズプリセットは銀塩写真のレンダリングとグラフィック効果 (フィルタ、調色処理、ヴィネット、テクスチャ、欠陥など) を再現するプリセットで、画像に新次元の芸術的効果をプラスできます。

タイムマシンプリセットは DxO FilmPack 6 以降にインストールされているもので、1827 年から 2019 年までの歴史をタイムマシン機能で確認しながらフィルムレンダリングを適用できます。

デザイナーレンダリング画像は、DxO FilmPack 4 または DxO FilmPack 5 以降で利用可能です。

タイムマシンレンダリングは、DxO FilmPack 6 以降で利用できます。

DxOFilmPack をアクティブ化すると自動的に表示されます (ライセンスが必要です)。

プリセットの適用

あらかじめ用意されているプリセットの適用

画像にプリセットを適用するには、コマンドバーにある [プリセット適用] (PC) または [プリセットを適用する] (Mac) ボタンをクリックします。 [プリセット適用] ウィンドウが表示され、画像に適用できるすべてのプリセットが表示され、適用された結果をプレビューすることができます。

画像ブラウザ内のサムネイル上で右クリックして、コンテキストメニューからプリセットを適用を選択することもできます。 またはプリセットエディタ内のリストから選択することもできます。

プリセットを組み合わせた使用

1 つ以上のプリセットを適用することができます。 両方のプリセットに異なる値が設定がされている場合は、後から適用したプリセットが適用されます。 たとえば、

このルールを使って、部分的な補正のみを行う部分プリセットを作成できます。これは限られた補正数に対し、完全なプリセットの上に適用できます。 補正が部分プリセットに含まれている場合、その補正が適用されます。 部分プリセットで特定の補正が提案されていない場合、基本プリセットで適用された値が維持されます。

現在の設定からフルプリセットを作成

現在の設定からプリセットを作成するには、以下の手順で行います。

  1. 画像に補正設定を適用します。
  2. 補正設定が完了したら、画像ブラウザのサムネイル上で右クリックして、コンテキストメニューから [現在の設定からプリセットを新規作成] を選択します。
  3. フローティングウィンドウにプリセット名を入力して [保存] をクリックします。
  4. コンテキストメニューとプリセットリスト内に新しいプリセットが表示されます。

この方法で作成されたプリセットは、すべての設定が含まれるフルプリセットになります。

プリセットエディタパレット (ELITE 版)

[設定] タブにあるプリセットエディタのパレットで、既存のプリセットを編集してカスタムプリセットを作成したり、変更を新しいプリセットに保存して新しいプリセットを作成・管理したりできます。

プリセットエディタコマンド

PC

[プリセットエディタ] パレットは以下のコマンドが並んでいます。

DxO PhotoLab には一部、ロックされたプリセット(南京錠アイコンでマークされている) を提供しています。これらは、変更したり削除したりできません。

プリセットはいくつでも作成でき、カスタムフォルダに保存したり、他のバージョンの DxO PhotoLab 用に書き出したり、共有することができます。

プリセットエディタ内でプリセットを選択し、[編集モード] ボタンをクリックすれば確認や変更が可能です。関連するパレットが編集モードになります。

Mac

補正パレットの右上にあるプルダウンメニューから、以下のコマンドを選択できます (プリセットエディタ内で、プリセットの上で右ク リックしても同様): 新規プリセット(現在の設定使用)、新規プリセット (補正未設定)、新規プリセットフォルダ、プリセットのコピー、名称変更、削除、適用、編集モード、保存、コピー、キャンセル、インポート (同時に複数のプリセットのインポートも可能)、選択されたプリセットのエクスポート。

既存のプリセットを編集してプリセットを作成する (ELITE 版)

PC と Mac

既存のプリセットを変更して新規プリセットを作成するには、以下の手順で行います。

  1. 変更したいプリセットをクリックします。
  2. [プリセット] パレット (Mac)、 [プリセットエディタ] (PC) パレットで [編集] ボタンをクリックします。 関連するパレットツールが編集モードに変わります (パレットの左側に青い帯が表示されます)。
  3. 補正を行いたくないパレットのチェックを外します。 または保存したい補正設定を変更します。 非表示になっているパレットも開いて設定を行うことができます。
  4. 設定が完了したら、[プリセット] パレット (Mac) または [プリセットエディタ] パレット (PC) の [保存] ボタンをクリックします。
  5. プリセットの作成モードを終了するには、もう一度 [編集モード] ボタンをクリックします。

ロックされた DxO プリセットから変更したい場合は、[プリセット] (Mac) または [プリセットエディタ] (PC) のコマンドバーにある [コピー] ボタンをクリックし、コピーしたプリセットの名前を変更します。

選択したプリセットをキャンセルする場合は、[編集] > [取り消し] を選択するか、キーボードショートカット Ctrl (PC) / Cmd (Mac) + Z を押します。

プリセットフォルダ (ELITE 版のみ)

プリセットフォルダリスト内のフォルダをダブルクリックすると開くことができます。または、左上の矢印をクリックしてください。 フォルダの名前をクリックすると、ファイルの名前を変更することができます。 名前をクリックするとファイル名を変更できます。 できるだけわかりやすい名前を付けて、適切なプリセットが見つかるようにしておくことをお勧めします。

右ペイン

[設定] タブの右ペインには、以下のパレット (上から下) が含まれています。

ライトパレット

露光

露出について

上部の画像は背景が明るく、空の色やディティールが失われています。
下の画像は、[露光補正] パレット内の [ハイライトの優先度 – 強く] を選択して生成した画像です。

露光補正は、画像内の各ピクセルごとの明るさを増減して、画像の全体的な露光を増やすか減らします。 写真システムは、限られた光度の範囲で記録するものであるため、すべての場合において自然が提供する範囲をカバーで着ないため、ほとんどの写真には、露出過剰または露出不足の部分、またはその両方が含まれます。

デジタル写真では、カメラセンサーは特定レベル以上の光を「飽和」と受け取り、白いピクセルで表現してしまいます。空や反射物によく発生するこのような白とびを回避しようとすると、コントラストに注意する必要があります。 露出ツールは、誤って露出されたこれらの領域の情報を回復することができます。特にRAW画像に関しては、そのカラーチャンネルは一般的に、白とびや黒つぶれの部分にもある程度の情報を保持されています。 一方、JPEG 画像では、RGB それぞれのチャンネルにカメラが一連の操作を実行しているため、元に戻して、元の輝度レベルの情報をチャンネル別に見つけることはできません。

RAW ファイルの補正

露光補正のハイライトのリカバリーには 3 つの補正モード(ハイライトの優先度 – 弱く/普通/強く)が用意されています。

RAW 形式を対象とした露光補正のドロップダウンメニューには、自動補正モードと手動調整用の「カスタム」があります。

自動露出オプションのいずれかを選択すると、さまざまな種類の撮影状況にカスタムの設定を適用することで、ワークフローを高速化できます。 例えば、通常のコントラストを持つ画像であれば、「少し」補正を行うだけ十分です。

露光補正の調整スライダは、部分調整パレットでも利用できます。

JPEG または TIFF ファイルの補正

JPEG と TIFF 画像はカスタムモードで露光スライダを使って補正できます。 補正範囲は、-4 EV から +4 EV です。

ヒストグラムの変化を監視しながらスライダーを小さなステップで動かしてください。 ハイライトゾーンの表示ボタンがオンになっていると、露出過剰 (一部のクリッピングゾーンが表示される) が確認でき、十分に露出を減少できているかどうかを確認できます (クリッピングがまだ表示されるか)。

DxO Smart Lighting (ELITE 版のみ)

DxO Smart Lighting について

逆光の被写体は DxO Smart Lighting による補正が必要となる典型的なケースです。 ここでは、非常に強いコントラストのために、シャドウを持ち上げるためにかなりのレベルの修正が適用されています。まるでフラッシュが使用されているかのようです。

一般的な画像補正は画像全体に適用されます。明るさやコントラストを調整しようとすると、画像全体が明るくなったり暗くなったり、コントラストを弱くなったりします。

DxO Smart Lighting は画像全体ではなく、部分的な明るさとコントラストを補正します。必要な場所にのみコントラストを強調したり弱くしたりします。 必要と判断された部分のコントラストも変更されます。これは以下のような場合です。

これに対して [スポット重点] モードは、検知した顔の部分を Smart Lighting の適用に反映させることで、顔の露光補正を優先して行います。 これは部分的な補正をするということではなく、露光補正の優先度を顔の部分にすることによって、画像の他の部分と比較しても自然でバランスの取れた補正を行うことができます。

DxO Smart Lighting: 均一モード

DxO Smart Lighting の [均一] モードには 3 つのレベルがあり、様々な画像に利用できます。

他のツールと同様に、DxO Smart Lighting の [均一] モードは自動で適用されます。 画像の内容を解析し、補正は画像全体に均一に適用されます。 補正の調整には 2 つのツールがあり、一緒でも別々でも使うことができます。

DxO Smart Lighting: スポット重点モード

DxO Smart Lighting の [スポット重点] モードは、画像内で検知された顔を優先しながら画像の他の部分を大きく変更することなく露光の最適化を行います。 この機能は、以下の場合に非常に有効です。

[スポット重点] ボタンをクリックすると、画像内の顔の部分を考慮して DxO Smart Lighting の [弱] モードがデフォルトで適用されます。 検知された顔の数はサブパレット内のスポット重点ツールアイコンの右側に表示されます。

検知された部分を表示するには、[ツール] アイコンをクリックします。 画像内にある顔に対して四角い枠が描かれています。 四角の枠にマウスカーソルを持っていくと枠が編集可能になり(枠の辺が点線になり、四隅にハンドルが表示)、枠の移動、サイズ変更、削除(右上の [×] 印をクリック)をすることができます。

検知されなかった顔に対しては、マウスカーソルを使って新しく四角い枠を追加することができます。 追加された部分を含んだ解析が再度なされ新しい補正結果が画像に適用されます。

スポット重点を選択しても顔が検知されなかった場合、DxO Smart Lighting サブパレットに、 [検知された顔なし] というメッセージが表示されます。 これは顔が正面を向いてなかったり、一部隠れている場合です。 この場合、四角い枠を手動で追加すると、新しい解析が行われ新しい補正結果が適用されます。

プレビュー画像の下のツールバーでは、四角の枠の表示/非表示を選択することができます。また、補正をリセットしたり、ツールを閉じたりできます (サブパレット内のアイコンをクリックしても同様に閉じることができます)。

補正の強さは、予め設定されたモード [弱/ふつう/強/カスタム] から選ぶことができます。また、 [強さ] スライダを使って手動で調整することも可能です。 どの場合も、検知された顔を考慮して補正計算が行われます。

DxO Smart Lighting のどの設定を使ったらよいか

DxO Smart Lighting は中でも特に複雑な補正を実行します。 この補正は画像全体と部分のディテールの両方、そして明暗両方のエリアに影響し、そして画像の明るさとコントラストに大きく影響します。 このような複雑な補正は、何度か練習を積まないと習得できないものです。 しかし、DxO Smart Lighting なら、難しい画像に対しても効果をすぐに確認できます。

まず始めに、DxO Smart Lighting はハイライトが必要なシャドウ部分でのみ使うようにします。 露光補正とは異なり、ハイライト部分への効果は非常に限定的です。 次に、自動補正モードを使います。自動補正モードはほとんどの画像に対応できるように設計されているため、できるだけ 3 つの自動補正モードを使い、[強さ] スライダで微調整するようにします。 より細かい補正をしたい場合、 [選択的トー ン補正] パレットか [トーンカーブ] パレットを使います。

選択的トーン補正

[選択的トーン補正] パレットは、画像の階調ごとに明るさを調整する非常に直感的で正確な方法です。

– 選択的トーン補正ツールは、画像のコントラストを劇的に変更します。 極端に設定せず、クリッピングを避けるためにヒストグラムを見ながら調整します。

– 選択トーンの調整スライダは、部分調整でも利用できます。

DxO ClearView Plus (ELITE版のみ)

DxO ClearView Plus は、白いモヤや霧を自動的に除去します。 RAW と JPEG 画像のどちらにも有効です。

白いモヤは高い気温、湿度、大気汚染等が原因で発生する場合があり、風景写真でディテールが失われたりコントラスが落ちる問題が生じます。

[強さ] スライダは、デフォルトでは 50 に設定されており、0 ~ 100 の範囲で補正の度合いを調整できます。

デフォルト値の 50 に戻るには、スライダをダブルクリックします。

モヤの現れていない画像でも、青空や風景を強調するために DxO ClearView Plus を使用することもできます。

コントラスト

コントラストサブパレットには、 [コントラスト] スライダと [マイクロコントラスト] スライダがあります。

DxO FilmPack (ELITE 版) がインストールされている場合、[微細コントラスト] と、これに関連する高度な設定の [ハイライト]、[中間トーン]、[シャドウ] スライダも表示されます。

[コントラスト] サブパレット

グローバルコントラスト補正は、トーンカーブ補正と相反するので注意してください。

マイクロコントラストには 2 つの適用方法があります。

自動モードでは画像内に顔があるかないかを検知し、顔がある場合には適用されません。 同様にデジタルノイズが多い場合、ノイズを強調しすぎないためにも適用されません。 JPEG 画像の場合、マイクロコントラストの自動補正によるスライダの値の上限は +5 に設定されています。

自動補正をリセットするには、 [マジックワンド] アイコンを再度クリックします。

ローカルコントラストがかかりすぎるのを避けるために、ディテールパレットの [アンシャープマスク] 補正と一緒に [マイクロコントラスト] を設定するのは避けてください。

微細コントラスト (DxO FilmPack がインストールされている場合)。

スライダ値は、-100〜 +100 までで、デフォルトは 0 に設定されています。

トーンカーブ

トーンカーブについて

トーンカーブは、写真編集ツールの一つですが、複雑なものとみなされることがよくあり、時にはその使用を避けるフォトグラファーもいます。 しかし、これはフォトグラファーにとって、最も強力で柔軟かつ洗練された画像編集ツールの一つです。 これから長い説明が始まりますが、どうか心配しすぎないでください。 トーンカーブツールにはある程度の学習が必要ですが、その原理さえ把握してしまえば、あとは実際に試してみるのが、習得のための一番の近道です。

トーンカーブツールは、明るさとコントラストだけでなく、グローバル RGB チャンネル、または 3 つの別々のチャンネル(赤は R、緑は G、青は B)を通じて色に影響を与えることができます。また、「ルマ」とも呼ばれる明度チャンネルを使えば、色に影響を与えることなくトーンを調整することができます。 トーンピッカーを使って明るさのレベルをサンプリングし、カーブの上にポイントとしてマークし、画像内で直接調整することもできます。

デフォルトでは、トーンカーブはニュートラルであり、[トーンカーブ]サブパレットがオンになっている場合でも、補正は行われません。 この段階では、45° の直線が表示されます。X(水平)軸で表される入力輝度値は、Y(垂直)軸で表される出力値と完全に一致します。 カーブを調整すると、出力値が変化し、明るさ、コントラスト、色が影響を受けます。 ハイライト(カーブ上部、右上側)とシャドウ(カーブの底部、左下側)を圧縮しながら中間トーン(カーブの中央部)を拡張する「S 字カーブ」は、画像を強調するテクニックとして、フォトグラファーによく用いられます。 「S」の形が極端になっていくほど、画像のコントラストが強くなり、明るい部分と暗い部分のトーンの違いが強調されていきます。

カーブを調整すると、設定に応じて彩度が減少または増加して色が影響を受けますが、RGB チャンネルの 3 つを使用して色かぶりを修正または強調することもできます。 例えば、画像が寒色寄りで青に偏っている場合は、B チャンネルのカーブを青から、その補色である黄色の側に調整することができます。 暖色に寄った画像を補正する場合には逆を行います。 R、G、および B チャンネルを個別に操作することも、クリエイティブなレンダリングを探るためのよい方法です。

最後に、「ルマ」すなわち明度に対応する L チャンネルでは、色を維持したままトーンを調整できます。 たとえば、灰色の雲が写っている風景画像のトーンを強調したいとしましょう。 普通に調整をすると画像全体が徐々に青くなるかもしれませんが、L チャンネルを使えば、灰色は灰色のままになります。 これは、ポートレイト写真において肌のトーンをキープする方法でもあります。

反転カーブ

DxO PhotoLab のトーンカーブには反転モードもあり、アナログフィルムのスキャンなどのネガ画像を変換して作業することができます。

説明

[トーンカーブ]サブパレットは、以下の要素で構成されています。

  1. プリセット:トーンカーブをオンにすると、RAW あるいは JPEG/TIFF などの形式に関係なく、画像に適用されるデフォルトのプリセットがリニアカーブになります。 ドロップダウンメニューから、DxO PhotoLab に含まれるカーブのプリセットを適用したり、独自のプリセットを作成したりできます(下記参照)。
  2. チャンネル選択:タブのいずれかをクリックして、選択したチャンネルのカーブを選択して使用します。 複数のチャンネルを同時に選択して有効にすることはできませんが、複数のチャンネルを順次調整することはできます(例 :グローバル RGB チャンネルを使用した後、赤チャンネルを変更する)。
    1. RGB:赤、緑、青の 3 つのチャンネルすべてに同じ影響を与えるグローバルチャンネルカーブ。
    2. R、G、B:選択に応じて、赤、緑、または青のチャンネルに影響するカーブ。
    3. L:明度(ルマ)チャンネルに作用し、色を保持したまま明度を調整できます。
  3. リセット:このボタンをクリックすると、アクティブなチャンネルのカーブと関連する設定がリセットされます。
  4. すべてリセット:すべてのチャンネルと関連する設定をリセットし、カーブをデフォルトのプリセット(リニア)に戻します。
  5. ヒストグラム:カーブの背景には、元の画像のヒストグラムと、トーンカーブの操作を始める前に行われた補正後のヒストグラムが表示されます。 トーンカーブを使用する際は、他のツールで補正を行わない限り、ヒストグラムは変わることなく、基準として参照し続けることができます。 カーブの設定を確認するには、[ヒストグラム]パレットを参照する必要があります。 これはすべての補正が適用されています(クリッピングインジケーターを有効にして、調整をかけ過ぎることのないよう、個々のチャンネルを選択してみることをお勧めします)。 アクティブなチャネルによって、背景の外観と色も変わります。
    1. RGB または L:グレーのグラデーションの背景で、左上部が明るく、右上部が暗くなっており、輝度を示しています(カーブを上に持ち上げることで明るくなり、下に下げることで暗くなります)。
    2. R、G、B:背景は、加法混色モデルと、選択したチャンネル(R:赤/シアン、G:緑/マゼンタ、B:青/黄色)に基づく補色の組み合わせを示します。 たとえば、緑のチャンネルでは、上向きにカーブを持ち上げると緑かぶりが付加され、下向きに下げるとマゼンタの色かぶりが加わります。
  6. カーブ:デフォルトでは、カーブは左下の角(絶対的な黒、値:0*)から始まり、右上の角(絶対的な白、値:255*)で終わる、45° の直線です。 カーブの中心は、各軸上で値 128 になるポイントがマークされています。 グリッドは、元の画像のトーンに対応する入力値(水平方向の X 軸)と、補正後のトーンに対応する出力値(垂直方向の Y 軸)を表しています。 理解を深めるために、実際にカーブをクリックしてポイントを追加し、マウスでドラッグしてみましょう。ポイントから下向きにの X 軸へ垂直線を引くと、元のイメージの対応する値が得られ、左側のY軸へ水平線を引くと、補正後の値が分かります。 カーブの色はチャンネルによって変わり、複数のチャンネルが使用されている場合は、それぞれの色で複数の曲線が表示されます。
    1. RGB:白。
    2. R、G、またはB:それぞれの色、すなわち赤、緑、または青。
    3. L:ゴールド。
  7. カーブポイント:カーブ上でマウスをカーソルを動かすと、カーソルが十字に変わり、クリックすると画像の輝度レベルに対応するポイントが設定され、値が曲線の左側(Y軸)および下側(X軸)のインジケータに表示されます(下記のポイント 9 を参照)。 カーブ上の点は、画像上の位置に関係なく、すべての対応する輝度レベルに影響を与えることに注意してください。
    1. ポイントは好きな数だけ作成できます。
    2. カーブを調整するには、ポイントをクリックしてドラッグします。
    3. ポイントをクリックすると、アクティブであることを示すために白くなります。 黒のポイントは非アクティブです。
    4. 一度に複数のポイントをアクティブ化することはできません。
    5. 一時的にすべてのポイントを無効にするには、背景をクリックしてください。
    6. 2 つのポイント間のカーブを調整すると、画像上の、対応する部分のみが影響を受けます。 ただし、カーブはトランジションを考慮するため、調整対象のポイント間を若干超えた範囲に、わずかな変化を引き起こします。
    7. あるチャンネルのポイントは他のチャンネルでは見えません(注意:すべてのカーブはすべてのチャンネルで見えます)。
    8. ポイントを削除するには、それをアクティブにして、キーボードの[Backspace] キーまたは [ Delete] キーを押します。
    9. トーンピッカーを使用してポイントを作成することもできます(以下のポイント 10 を参照)。
  8. しきい値:X 軸と Y 軸の各端には、小さな三角形が表示されます。 これらのハンドルを使用すると、ホワイトポイント(0)とブラックポイント(255)の値を変更できます。これはしきい値とも呼ばれます。 これにより、入力ポイントとカーブが作用する、輝度の範囲を調整できます。
    1. X 軸では、元の画像のヒストグラムが最も暗いトーンや最も明るいトーンまで十分に広がっていない場合、これらのトーンを調整できます。
    2. Y 軸では、これを使って出力値を切り詰め、後述する「マット」ルックのような効果を実現できます。
    3. しきい値は、レベルインジケータで確認できます(以下のポイント 9 を参照)。
  9. レベルインジケータ:X 軸と Y 軸それぞれに、3 つのレベルインジケータがあり、それぞれ以下を表しています。
    1. X 軸(左から右に):シャドウ値、中間トーン、およびハイライト。
    2. Y 軸(上から下に):ハイライト値、中間トーン、およびシャドウ。
    3. インジケータは、特に 0 から 255 の特定の値を適用する必要がある場合に、入力フィールドとして使用することもできます。 右側にある上下の矢印を使用して、値を増やすこともできます。
  10. トーンピッカー:ボタンをクリックすることでアクティブ化され、画像の調整を便利にするための 2 つの機能を提供するトーンピッカー。
    1. イメージ内の任意のスポットをクリックすることで、カーブ上にポイントを作成できます。
    2. 画像内の特定のスポットをクリックし、スポイトを上下にドラッグすることで、トーンを調整できます。
    3. スポイトを無効にするには、サブパレットのボタンをもう一度クリックしてください。
  11. ガンマ:写真撮影において、コントラストファクターとしても知られるもので、フィルムまたは電子センサーなどの画像キャプチャメディアのコントラストを決定します。 トーンカーブツールでは、カーブの中央部(中間トーン)の勾配を決定し、デフォルトでは 1.00 に設定されています。 スライダーか、インジケータに値を入力するか、上下矢印を使用することで、0.05 から 6.00 までの範囲で変更できます。
    1. 値が 1 より大きくなるとコントラストが上がり、シャドウ部分のディテールが現れてきます。
    2. 値が 1 より小さくなるとコントラストが下がり、ハイライト部分のディテールが現れてきます。

少し、計算をしてみましょう!

* 0 から 255 までの合計 256 段階のレベルは、写真編集ソフトウェアで使用される標準化された表現です。これは 8 ビットファイルに基づくか、RGB のチャンネルごとのビット数、2 の 8 乗 (28) が 256 になることに基づくものです。典型的な JPEG ファイルも、8ビットです。 なお、16ビットファイル(TIFF や RAW ファイルなど)は RGB チャンネルごとに 65536 レベルの情報を保持していますが、256 レベルの表現は、それをよりシンプルで使いやすくしてくれます。

プリセット

トーンカーブにはいくつかのプリセットが付属しています。 気軽に試して、感覚を掴んでみましょう。サブパレットのすべての関連する設定を注意深く観察してください。

自分独自のトーンカーブプリセットを作成することもできます。

  1. トーンカーブを調整します。
  2. プリセットリストで、 [プリセットを保存…]を選択します。
  3. ダイアログボックスが表示されます。
  4. カスタムプリセットの名前を入力してください。
  5. RGB および輝度チャンネルのそれぞれを、除外または含めます。
  6. [保存]をクリックします。
  7. 保存したプリセットは、リストに表示されます。

カスタムプリセットを削除する*:

  1. リストに移動し、 [プリセットを削除]を選択します。
  2. サブメニューからプリセットを選択してください。
  3. 削除を確認するメッセージが表示されます。

*DxO PhotoLab に付属のトーンカーブのプリセットは削除できません。

トーンカーブを使用するいくつかの例と関連するカーブ設定の例を示します。

オリジナル

コントラストの強化

コントラストの抑制

オリジナル

RGB コントラストの強調

輝度コントラストの強調

色かぶりの修正 (ここでは青のチャンネル)

カラーチャンネルを使用したモノクロ写真のトーン処理

マット効果

ネガ/ポジのカーブ反転

ヴィネット

DxO 光学モジュールが使用可能な場合は、2 つのスライダが表示されます。

ヴィネットは、画像の角が中央部と比べて暗くなってしまう光学上の欠点です。 ヴィネットの補正は DxO 光学モジュールが利用できるかどうかで方法が異なります。

DxO 光学モジュールが利用できる場合

この場合は、補正ドロップダウンメニューに DxO 光学モジュールで自動補正と表示され、補正は自動で実行されます。 自動補正をさらに調整することもでき、モジュールが利用できない場合は補正ドロップダウンメニューで手動補正に切り替えることもできます。

ヴィネット補正は基本的に 2 つのステップで調整が可能です。

  1. 最初に、DxO 光学モジュールが、レンズデータ、焦点距離、露出設定などから、画像内の全ピクセルでヴィネットの度合 いを検証します。 [強さ] スライダ (0〜100%) を使って、画像内でどのくらいヴィネットを取り除けばよいのかを決定します。
  2. 続いて明るい部分におけるクリッピングや、シャドウ部分におけるノイズ増加を防ぐためのフィルタが適用されます。 [オプション表示] をクリックすると、フィルタの強さを調整できる [保持] スライダ (0 〜 100%) が表示されます。
    • この値を 0% に設定すると、制限なしでヴィネットが補正されます。
    • 例えば 80% に設定すると、大きい範囲のハイライトとシャドウが補正されません。

この 2 つの設定を両方とも調整する場合は、[強さ] スライダを 100% に設定してから、[保持] スライダを動かした方が良いでしょう。これは、[保持] スライダはヴィネット補正の二次効果をより効果的に防ぐことができるからです。 このツールで補正できるのは、レンズによって発生するヴィネットのみです。 レンズフードなど機材の構造によって発生するヴィネットは補正できません。 この場合はクロップツールなどを使って問題箇所をトリミングしてしまう方法もあります。

DxO PhotoLab の他のツールと同じように、マジックワンドをクリックすると、初期設定に戻ります。

DxO 光学モジュールが利用できない場合

利用できる DxO 光学モジュールがない場合は、手動補正モードが表示されます。 [強さ] スライダを使うと、画像周縁部のシャドウを目で確認しながら補正することができ、[オプション表示] で [中央部強調] スライダを使うと、画像の中心部からどこまで補正を適用するかを選ぶことができます。

[カラー] パレット

作業色域

上: 従来のカラースペース、下: DxO 広色域のカラースペース

DxO PhotoLab のバージョン 6 以降では、ワイド色域を使用できるようになりました。Adobe RGB 1998 プロファイルにマッチするクラシックプロファイル (レガシー)に加えて、DxO ワイド色域 を使用できるようになったことで、これまでは自動的に処理が行われていた不要な変更を防ぐことができます。 [色域] サブパレットでは、カラープロファイルに応じて画像を管理し、変換することができます。

Adobe RGB で処理された画像を DxO ワイド色域に変換した場合、色 (つまり、画像の印象) が変わる場合があります。その場合、一部の補正をやり直さなければならない可能性があります。

また、ソフト校正もレガシーカラースペースに加えて DxO ワイド色域で使用できます。

重要

バージョン 6 (2022年10月リリース) 以降、DxO photoLab では入力画像の作業色域による制限がなくなりました。これは、入力画像がより幅が広い DxO ワイド色域で変換されるようになったためです。 大半のスクリーンの色域にはより大きな制限があるため、画像の補正時に「ソフト校正外の表示カラー」という警告が表示されます。 ただし、この警告が表示されなくないようにすること自体は目的ではなく、警告が表示されても質の高いエクスポートや現像を行うことができます。

DxO PhotoLab 6.3 (2023 年 3 月リリース) 以降、DxO ワイド色域は RAW ファイルだけでなく RGB ファイル (JPEG、TIFF、リニア DNG) にも適用されます。

部分調整

光源の種類を問わず、一般的に人の目には光は白く見えますが、 実際には 日中の光には強い青が含まれ、シャドウ部や空が青かぶりし ます。 白熱電灯では黄色かぶり、また蛍光灯によって複雑な緑かぶりを起こします。

このような 好ましくない色は、ホワイトバランスを調整することで修正できます。

ホワイトバランスパレット

ホワイトバランスパレットの補正設定は、画像ファイルの形式によって異なります。

RAW ファイルまたは RGB ファイル (TIFF または JPEG) ファイルのどちらを選択したかによって、[ホワイトバランス] パレットは自動的にファイル形式にあわせて表示されます。

プリセットの使用 (RAW ファイル)

ドロップダウンメニューには、多くの場面で利用できるプリセットが用意されています。太陽光、曇天、陰、タングステン、蛍光灯や産業照明 (ナトリウムランプやガス放電灯) などを利用できます。

デフォルトでは [撮影時設定] が選択されています。これは、撮影時にカメラで設定されたホワイトバランスを指します。 色温度と色相のスライダを操作すると [手動 / カスタム] が自動的に選択されます (色温度と色相については後で説明します)。

選択できるプリセットには以下があります。

ホワイトバランスを、50,000 K まで拡張すると、水中撮影の強く青 / 緑がかった画像を補正する水中設定が可能になります。

撮影時設定のホワイトバランスは、DxO PhotoLab が唯一利用するカメラの設定です。

カラーピッカーの使用 (RAW またはRGB ファイル)

カラーピッカーツールを使うには、画像でニュートラルグレー (可能ならば比較的明るいグレー) にできるだけ近い領域や要素を見つけ、 クリックして適切なホワイトバランスを探します。 自分の好みの色になるまで作業を繰り返してください。

元画像で選択した場所のサイズが小さい場合、ズームすると正確にカラーピックができます。

画像ビューアーの[ホワイトバランス半径]スライダを使うと、カラーピックツールの半径が表示され、カラーピックする箇所のサイズ を変更できます。 半径は 1 ~ 50 ピクセルの間で調整できます。

[ホワイトバランス半径] スライダ (PC)
[ホワイトバランス半径] スライダ (Mac)

高い ISO 値で撮影した画像では、ノイズによるエラーを避けるため、半径スライダを「10」に設定してください。

ホワイトバランスカラーピックツールを使用した後は、画像の下のツールバーの右にある [閉じる] ボタンをクリックしてください。

RAW ファイルのホワイトバランス補正

プリセット設定を使った場合でも、 ホワイトバランスカラーピッカーツールを使った場合でも、 [色温度] と [色相] スライダを使って調整することができます。 [色温度] スライダは 2,000 K から 50,000 K の間で設定できます。また、-200 から 200 の幅の [色相] スライダと組み合わせて使うと、色かぶりを取り除くことができます。

いずれの場合でも、ドロップダウンメニューから [撮影時設定] を選択すると、画像の EXIF データから提供される設定に戻すことができます。

RGB ファイル (TIFF または JPEG) のホワイトバランス補正

TIFF や JPEG ファイルを画像ブラウザ内で選択した場合は、ホワイトバランスパレットは自動的に RGB ホワイトバランスパレットになり、色温度スライダとカラーピッカーがあるシンプルなパレットを使用できます。 TIFF や JPEG ファイルでは、カメラ内の処理や他の編集ツールによってホワイトバランスがすでに決定されているため、ホワイトバランスを設定できません。 そのため、新しいホワイトバランスを提供すると、特定の領域の色を変更できますが、他の領域に色かぶりを起こすことがあります。 このため RAW ファイルに比べてシンプルな補正となります。 カラーピッカーまたは色温度スライダ (Macではオプションからもアクセス可能) を動かすと、冷たい感じ (青系) か暖かい感じ (黄色系) に調整することが可能です。

スライダ上でダブルクリックすると、補正をリセットできます。 RAW または RGB ファイルの両方で、完全なホワイトバランスを探す必要はありません。 あなたが撮影したシーンの雰囲気を思い出し、その雰囲気を維持するために設定を調整してみてください。

カラー / モノクロレンダリング

カラー/B&W スイッチ

カラー/B&W レンダリングパレットを使用すると、カラーとB&W ボタンを使用してワークフローを簡単に切り替えることができます。 これらのボタンのいずれかをクリックすると、パレットの内容が自動的に選択されたモードに適応します。

B&W モードでは以下のツールが無効になります。

すべてのカメラ、処理ソフトウェア、そして伝統的な写真のフィルムでは、それぞれ異なる解釈でカラーレンダリングを行います (この解釈がメーカーの評価になります)。 カラーレンダリングパレットの目的は、カメラやフィルムのレンダリングをシミュレートすることです。 美的観点以外にも、この補正には実用的なメリットがあります。 一部のフォトグラファーは複数のカメラを使って撮影をするため、それぞれのカメラで撮影した画像の印象をそろえることができます。 プロフォトグラファーの場合、特定のカメラの特徴を出さずに、ニュートラルな仕上がりに揃えてクライアントに提出したいという場合もあります。

デフォルトでは、DxO PhotoLab は次のレンダリングを RAW ファイルに適用します。

RAW 画像

RAW 画像はすべての光の情報が含まれているため、様々なカラースペースにも変更することができ、カラーレンダリング補正が効果的にかかります。 これによってクリエイティブな可能性が広がります。[タイプ] と [レンダリング] の 2 つのドロップダウンメニューから様々な設定が行えます。これはカラーかモノクロかによって異なってきます。

DxO PhotoLab では、いくつかのカメラメーカーのフォトスタイルは考慮しませんが、 標準のオリジナルレンダリングに可能な限り近づけるようにします。 DxO PhotoLab では、富士フィルムのレンダリングを適用できます (以下をご覧ください)。

DxO FilmPack がインストールされて有効になっている場合、[タイプ] と [レンダリング] ドロップダウン メニューでは、以下のカテゴリに、カラーネガフィルム、カラープロセスフィルム、デジタルフィルム、シネマティック・フィルム、モノクロフィルムなど、多数のフィルムを含むカテゴリが表示されます。 詳細については、DxO FilmPack のユーザーガイドを参照してください。

富士フイルムとニコンの画像

富士フィルムまたはニコン製のカメラを使用している場合、カメラのレンダリングを自動で適用できます。 その場合、DxO PhotoLab の [プリファレンス] > [全般] で [サポートされているカメラのレンダリングを自動的に使用する] オプションを有効にする必要があります。 DxO FilmPack をインストール済みかどうかにより、2 つのケースが考えられます。

  1. DxO FilmPack がインストールされていない場合: カメラが富士フィルムの銀塩レンダリングに設定されている場合、DxO PhotoLab はカメラの一般的なレンダリングを適用します。
  2. DxO FilmPack がインストールされている場合: 一般的なレンダリングに加え、富士フィルムおよびニコンのすべてのレンダリングを自由に適用できます。 この場合、これらのレンダリングを、DxO PhotoLab のサポート対象のあらゆるメーカーと機種にも適用できます (レンダリングは [カラーパレット] > [カラーレンダリング] > [レンダリング]、またはプリセットの [DxO FilmPack デザイナーズ – カラー] および [DxO FilmPack デザイナーズ – モノクロ] からアクセスできます。

JPEG または TIFF 画像

他の補正と同様に、TIFF や JPEG 画像へのカラーレンダリング補正は、RAW ファイルへの補正に比べて限界があります。すでに処理済みの場合、撮影時の情報を取り戻すことはできません。 これらのファイル形式の場合は、フィルムシミュレーションのみ使用できます。

フィルムカテゴリは、[カテゴリ] と [レンダリング] の 2 つのドロップダウンメニューからアクセスできます。 [強度] スライダでは、元のイメージに、選択したエミュレーションを徐々に適用していくことができます。 デフォルトの設定は 100 で、0 だと元の画像になります。100 以上の値はすべて画像に対する「ハイパー補正」となります。

カラーレンダリング (DxO FilmPack が有効)

バージョン 6.0 以降で FilmPack が有効な場合、カラーレンダリングサブパレットに [DxO FilmPack Time Machine] ボタンが表示されます。 このボタンをクリックするとタイムマシンのウィンドウが表示され、19 世紀から 2020 年までの写真史を辿ることができます。 また、タイムマシンで提案されるプリセットを直接適用することもできます (詳しくは、「DxO FilmPack & タイムマシン」のセクションをご覧ください)。

校正カラープロファイル (ELITE版)

DxO PhotoLab では DCP エントリープロファイルを使えるようになりました。この目的は、異なるカメラで撮影された画像のカラーを統一したり特別な仕上がりを実現するために、撮影シーンを明るくするために使われた光源に応じて画像の仕上がりとカラーを最適化することです。

DCP プロファイルとは何ですか?

カメラのセンサーは、受光素子に達する光量子、つまり構成する繊細な要素と光を捉える要素を電子シグナルに変換します。 次にこの電子シグナルはデータに変換され、RAW ファイルに保存されます。利用可能な画像を作成するために、RAW ファイルは DxO PhotoLab のようなソフトウェアで処理する必要があります。 この全プロセスでカラーを復元するため、プログラムは、エントリープロファイル、つまりそのファイル独自の仕上がりを適用します。

また、別のエントリープロファイルを使って、この仕上がりを変更することもできます。

DxO PhotoLabでは、Adobe 社が開発したテクノロジーである DCP プロファイルを使用できるようになりました。 DCP プロファイル (DNG カラープロファイル) は DNG (Digital NeGative) に基づいています。DNG は Adobe 社が画像、写真、映画業界に提供する RAW ファイル用の公開アーカイブ形式で、iOS とAndroid を搭載したモバイルデバイスにも広く採用されています。

DCP プロファイルには ICC プロファイルと比べて多くのメリットがあり、特に柔軟性の高さが特徴です。 DCP プロファイルでは 2 種類の光源 (たとえば日中の光と白熱) を組み込み、あらゆる状況のカラーやホワイトバランスを再現できます。 プロファイルは画像のコントラストにも使われます。たとえば、より柔らかな仕上がりのプロファイルや単調なプロファイルを使って平坦な仕上がりの画像を作成すると、ユーザーは中性的なベースを使って、自分でコントロールしながら独自の仕上がりを作成することができます。

ICC プロファイルのサポートは、DxO PhotoLab 7(2023 年 9 月)から廃止されました。

DxO または Adobe DCP カーブ?

[DCP カーブ]メニューは、[タイプ]メニューで[DCP プロファイル]を選択した場合にのみ表示され、2 種類のレンダリングを選択できます。

カスタムキャリブレーションされたカラープロファイルの作成方法

DxO PhotoLab では DCP エントリープロファイルを作成することはできます。 自分でプロファイルを作りたいと思わない場合は、お使いの特定のカメラ用のエントリープロファイルを作成する業者のサービスを使うこともできます。

カスタム DCP エントリープロファイルを作成するには、カラーチャートを使用する必要があります。 これにより、光源に応じて正確な色を得ることができます。 保存されたプロファイルを同じ光源で撮影した画像に適用してください。

  • キャリブレーションされたプロファイルの適用は、特に色を補正する場合には、[設定] タブのワークフローの上流で行う必要があります。
  • キャリブレーションされたカラープロファイルツールは、DxO ワイド色域の作業色域でのみ使用できます。

カスタムプロファイルを作成するには、次のいずれかのチャートが必要です。

カラーチャートを撮影

キャリブレーションされたカラープロファイル作成ツールは、RAW ファイルでのみ使用できます。 これは JPEG ファイルではホワイトバランスとカラー補正が限られているためです。 RAW ファイルでは修正の幅は制限されません。 JPEG ファイルを選択すると、ツールは非アクティブのままになります。

チャートを撮影するには、光源に十分当たっていることを確認してください。特に小さなチャートを使っている場合は画像の相当の部分を埋めるようにフレーミングし、レンズに正対させてください。

チャートを撮影した後、またはチャートと対象を撮影した後、それを取り除いてから撮影セッションを続行してください。 光源を変更したり、被写体を変更したりする場合は、チャートで新しいショットを取得します。

キャリブレーションされたカラープロファイルの作成

DxO PhotoLab でチャートを撮影した画像を選択した後、色調整を行う前に (デフォルトでは、ソフトウェアはトーン調整と基本的なレンダリングを行い、カメラのホワイトバランスが保持されます)、カラーパレットでキャリブレーションされたカラープロファイル作成ツールのサブパレット [カラーレンダリング] / [B&W,] をアクティブにして、

キャリブレーションされたカラープロファイルの適用

カスタムキャリブレーションされたカラープロファイルを画像または以前に選択した画像に適用するには:

もし何らかの理由でモノクロモードに変更して、再びカラーモードに戻った場合、[タイプ] と [レンダリング] ドロップダウンメニューはジェネリックレンダリングとニュートラルカラーにリセットされます。 そのため、キャリブレーションされたプロファイルを再選択する必要があります。

キャリブレーションされたカラープロファイルのインポートと適用

DCP エントリープロファイルを DxO PhotoLab にインポートして適用するには:

DCP プロファイルはいつ適用すれば良いのでしょうか? 理想的なシナリオは、処理されていない画像に DCP プロファイルを適用することです。

LUT グレーディング (ELITE版)

コントロールポイントを追加する

LUT(Look-Up Table) ファイルは、特に色とそれぞれの RGB 値に関して、入力値から異なる出力値に変更するテーブルです。 DxO PhotoLab では、簡便のために、これらのテーブルは「LUTファイル」と呼ばれます。

デジタル画像の場合、LUTファイルを使うことでカラーグレーディングを実践し、DxO PhotoLab と DxO FilmPack のプリセットとは異なり、 [設定] タブのデフォルト設定を変更することなく、画像にクリエイティブなレンダリングを行うことができます。

ここでは色のパレットを再現することで、あなたのイメージに特定の外観を与えることが目的です。 多くの場合、映画やテレビシリーズに雑誌や風景、季節などにインスパイアされた絵作りができます。

最後に、DCP キャリブレーションプロファイルとは異なり、RAW とRGB ファイル (JPEG、TIFF) の両方にLUTファイルを適用できます。

DxO PhotoLabには 3 つの異なる LUT ファイルセットが付属しています:

LUT ファイルを適用

LUT ファイルの適用は、[設定] タブにおけるワークフローの上流で行う必要があります。

LUT ファイルを画像または以前に選択した画像に適用するには:

  1. カラーパレット、サブパレット LUT キャリブレーションに移動します。
  2. LUT ファイルリストで任意のレンダリングを一つ選択します。
  3. DxO PhotoLab 同梱の LUT ファイルのいずれかでなく、インポートされた LUT ファイルを使用している場合、[LUT 色域] メニューから、作業色域を割り当てることができます。
  4. [強度] スライダは、デフォルトで 100 に設定されており、選択した LUT プロファイルによるレンダリングの効果を減衰させることができます。

LUT ファイルをインポート

LUT ファイルをインターネットからダウンロードして解凍した後、簡単に追加できます。

  1. カラーパレットのサブパレット LUT キャリブレーションから、LUT ファイルリストを開き、[インポート (.cube)] を選択します。
  2. システムダイアログボックスで、LUT ファイルを見つけて選択することができます (PC では、複数のファイルを選択することができます)。
  3. [OK] をクリックすると、LUT ファイルがリストに表示され、直ちに適用されます。

DxO PhotoLab は、インポート中に LUT ファイルを移動しません。 システム内の画像フォルダなど、専用のストレージフォルダを指定します。

LUT ファイルを削除する

LUT ファイルリストに移動し、[削除] を選択します。 DxO PhotoLab 同梱のファイルを除くすべての LUT ファイルが削除されます。

スタイル – 調色処理(DxO FilmPack が有効になっていない場合)

[スタイル – 調色処理]パレットはデフォルトでセピアプリセットを提供します。

[強さ] スライダで効果を調整することができます。 デフォルトの値は 100 で、0 にするとオリジナル画像になります。

スタイル – 調色処理パレットの内容は、DxO FilmPack を有効にしているかどうかで変わります。 詳しくは、以下の DxO FilmPack のセクションを確認してください。

HSL

[HSL(色相/彩度/輝度)] パレットでは、選択的で非常に正確な方法でカラーを補正できます。このツールではカラーリング、8 つの色チャンネルと 1 つの全体チャンネル、彩度/輝度/均一性を調整する 3 つのスライダを使用できます。 このツールにより、以下を行うことができます。

[HSL(色相/彩度/輝度)] のサブパレットは、 [カラー] パレットにあります。

カラーチャンネル

サブパレットの上部にある色のついた丸印が選択可能な色チャンネルを示しています(左から右に)。

丸印は全体チャンネル (白) と色チャンネルを示します。 右側にある矢印は、リセット用の矢印。

色チャンネルの 1 つが選択されると、その丸印の周りが白くなります。 色相、彩度、輝度、均一性の調整が行われると、変更されたチャネルの丸印の下に白いドットが表示されます。

白色の丸い円は、オレンジチャンネルがアクティブであることを示しています。下にある白いドットは、該当する色相が変更されたことを示しています。

チャンネルに補正を適用した後、アクティブなチャンネルドット内のマウスボタンをクリックして長押しすると、チャンネルを一時的に無効にできます。 これにより、補正の前後の画像を素早く比較できます。

チャンネルの右側にある曲がった矢印をクリックすると、パレットで実行されたすべての調整 (ホイールおよびスライダで実行された調整) がリセットされます。 ただし、その前に選択したチャンネル (白い〇で表示) はアクティブなままです。

DxO ColorWheel

DxO ColorWheel は、DxO PhotoLab 3 より前のバージョンで HSL ツールの色相スライダを置き換えるものです。 幅広いオプションと細かいオプションの両方を備えており、以下の要素から構成されています。

内ホイールはソースカラー(変更する色)を示し、外ホイールはターゲットカラーを示します。DxO ColorWheel は、内側から外側に向けて読み取るようにしてください。

DxO ColorWheel ホイールは、選択する全体チャンネルまたは 1 つの色チャンネルに応じて動きます。

DxO ColorWheel (左: 全体チャンネルがアクティブ、右: 青チャンネルがアクティブ)

全体チャンネル(白い丸印」が選択された場合、[彩度]および[自然な彩度]スライダーだけがアクティブになります。

全体チャンネルを選択した場合

ハンドルを使って、DxO ColorWheel の外ホイールを 360° 回転させることができます。内側の各カラーレンジ (ソースカラー) は、外ホイール (ターゲットカラー) に合わせた色相になります。

ここでは、アクティブな全体チャンネル (白い丸印) を使って、ハンドルが外ホイール (ターゲットカラー) を内ホイール (ソースカラー) の周りで 180° 回転させています。

例として、青空と黄味がかった草がある写真を取り上げてみましょう。

全体チャンネルがアクティブで (白い丸印にさらに白い円)、調整が何も施されていない場合、2 つのホイールは揃った位置にあります (ハンドルは右側)。つまり、青は青、赤は赤、緑は緑、補色カラー (黄、シアン、マゼンタ) は補色カラーの前に位置しています。 この状態では、空と草の色はまだオリジナルカラーのままです。

全体チャネルがアクティブで、ホイールが揃った位置にある状態

ハンドルが下に来るように外ホイールを回します。内ホイール (ソースカラー) の青レンジは外ホイール (ターゲットカラー) の赤 / マゼンタレンジと並ぶようになり、空の色相が、赤 / マゼンタになります。 内ホイール (ソースカラー) の黄 / オレンジレンジは外ホイール (ターゲットカラー) の緑レンジと並ぶようになり、黄味がかった草は緑色の色相になります。

外ホイールのハンドルを 1/4 回転した状態。青がマゼンタになり、黄が緑になります。

ハンドルをホイールの左側まで動かし続けます。内側の青ゾーン (ソースカラー) がオレンジゾーン (ターゲットカラー) の位置になり、空はオレンジ色の色相になります。内ホイールの黄ゾーンは外ホイールの青ゾーンに並び、草は青色になります。このようにして、ハンドルが最初のポジション (ハンドルが右側、内ホイールと外ホイールが揃った状態) に戻るまで続けてください。

ハンドルが左側に来ると、空の青がオレンジになり、草の色が青くなります。

色チャンネルを選択した場合

青空のある同じ写真を使ってみましょう。

青の丸印をクリックして、青チャンネルをアクティブにします。

次の点にも注意してください。

スライダ

DxO ColorWheel の下にある [彩度] 、 [輝度] 、 [均一性] のスライダでは、色相リングで実行されたカラー補正を微調整できます。 ColorWheel の設定に関わらず、初期設定ではスライダはすべて 0 に設定されています。

[彩度] と [輝度] のスライダは、ターゲット色相を示します。 たとえば、青チャンネルをクリックするか外ホイールのハンドルを青 (90°) に設定すると、 [彩度] と [輝度] のスライダも青になります。 ターゲット色相を変更すると、スライダの色も同じように変わります。

彩度

[彩度] スライダは、グローバルチャンネルが選択されている場合は画像内のすべての色を、アクティブな色相チャンネルが選択されていればその色相チャンネルを微妙に減衰または強化させることができます。

左に動かすと、色や選択した色相が徐々にグレーに変わります。 -100 の値に達すると完全にグレーになります。 右に動かすと、色や選択された色相はますます鮮やかになりますが、クリッピングや過飽和のリスクはありません。 デフォルトの値は 0 に設定されています。

自然な彩度

すべての色を強化する [彩度] スライダと比べて、[自然な彩度] スライダは、画像内に存在する様々な色の鮮やかさを考慮して微妙な変化をもたらします。 「スマート」彩度調整とも言えます。 スライダ値は、-100 〜 +100で、デフォルトは 0 に設定されています。 スライダを右に動かすと、劇的な方法で画像全体の自然な彩度が 改善されます。

スライダがマイナスにある場合は、画像全体の彩度を下げますが、以下のような働きをします。

輝度

[輝度] スライダは、選択した色相やアクティブな色相の輝度を調整します。 左 (最も暗い) に動かすと色相が暗くなり、右 (最も明るい) に動かすと彩度を最大限に維持したまま、色相を明るくできます。

均一性

DxO ColorWheel で肌のトーンを調整した後、[均一性] スライダで結果を微調整します。 左から順に: スライダが左 (より低い均一性)、未チューニングの画像 (スライダが 0)、 スライダが右 (より高い均一性)。

[均一性] スライダでは、定義されたレンジやアクティブなレンジで色相の均一性を調整できます。 値を大きくすると (右に動かす)、ターゲット色相の色相バリエーションが低減されます。 値を小さくすると (左に動かす)、アクティブなレンジで色相バリエーションが増加します。

[HSL (色相 / 彩度 /輝度)] ツールで使用されるアルゴリズムは、全体調整および部分調整の [彩度] スライダと[自然な彩度] スライダ、部分調整の [色相] スライダには実装されていません。

色相ピッカー

DxO ColorWheel の中央部に表示される色相ピッカーを使うと、さらに高い精度で色相を選択できます。 色相ピッカーは各色チャンネルと機能します(ただし、全体チャンネル (白い丸印) を除く)。 色相ピッカーは次の方法で使用します。

  1. HSL パレットで、使用するチャンネルを選択します。
  2. DxO ColorWheel の中央にあるピッカーをクリックして、アクティブにします。
  3. 画像内の任意の色相の上でクリックします。
  4. 該当する色相レンジが自動的に DxO ColorWheelでアクティブになります。
  5. DxO ColorWheel と関連スライダを使って、色相と色の調整を行います。

色相ピッカーをアクティブにすると、以下の項目とともに、画像の下 (Mac) または画像の上 (PC) にツールバーが表示されます。

  1. アクティブなツール名 (色相ピッカー)。
  2. 選択したチャンネルと変更後の色相の表示 (Mac)。
  3. 半径: ピッカーのサンプリング抽出半径を 1~50 ピクセルの間で調整できます (抽出ゾーンはピッカーの点線の円で表示されます)。
  4. リセット (Mac、PC): サンプリングをゼロに戻し、インジケータ [2] が選択したチャンネルの基本色に戻ります。
  5. 閉じる (Mac): ピッカーを非アクティブにします (補正は非アクティブにはなりません)。
Mac
PC

選択した色範囲のマスクを表示

パッドのいずれかをクリックしてカラーチャンネルを選択した後 (スポイトで選択範囲を絞り込むこともできます)、Ctrl (PC) または Cmd (Mac) キーを押しながら DxO ColorWheel の [半径] をクリックすると、関係する色のみを表示できます。 この範囲外の画像とその他の色はグレースケールで表示されます。

この方法では、表示は、範囲と色相の切り替えの両方において、DxO ColorWheel で行った設定に応じて異なるため、より正確に処理する色を選択することができます。

通常表示
Cmd (Mac) キーまたは Ctrl (PC) キーを使用して表示

チャンネルミキサー

チャンネルミキサーは、カラー画像からモノクロ画像に変換する際にカラーチャンネル (RGB: 赤、緑、青 / CMY: シアン、マゼンタ、黄) のバランスを自分の好みに合わせて微調整できます。

チャンネルミキサーは、完全に設定可能なフィルタのセットと考えることができます。 フィルタパレット内のフィルタは色相と強度の両方で制限されていますが。 チャンネルミキサーを使用すると、任意のレベルの色の任意の組み合わせを作成できます。

チャンネルミキサーを使用するには、どのチャンネルが明るすぎるか、暗すぎるかを評価する必要があります。 その上で、目的の方向にスライダを動かします。 例えば、画像に黄色い要素が含まれている場合、 黄色のスライダーを左に動かすとそれが暗くなります。右に動かすと明るくなります。

ソフト校正 (ELITE版)

ソフト校正が有効になった白いバックの画像。選択したプロファイルに応じて、色域外の色が示されています。

ソフト校正についてと推奨事項

ソフト校正 (ソフトプルーフとも呼ばれます) は、印画紙への現像の仕上がりを画面でシミュレーションする機能です。ソフト校正では、印画紙、白色の色相 (温かみのある白、または冷たさのある白)、プリンターや写真ラボで使用するインクなどの特徴を考慮します。 ICC 測色プロファイルを基にしたこのシミュレーションでは、色域外になる可能性のある色 (印刷不可) を判断したり、印刷前に行うべき補正について判断することもできます。

ソフト校正では印刷だけでなく、画像を表示する特定のスクリーン (TV、タブレットなど) での表示をシミュレーションすることもできます。

DxO PhotoLab では、次のソースで取得した ICC プロファイルとシステムにインストールされている CMYK から、ソフト校正を行うことができます。

プロファイルのダウンロードを提供するすべての Web サイトでは、インストールについての詳しい説明も提供されています。 インストールは OS レベルで行います。インストールすると、DxO PhotoLab で手順が表示されます。プログラムレベルで特別なことをする必要はなく、ソフト校正サブパレットのプロファイルメニューで待つだけです。

重要: ソフト校正の信頼性と有効性を確保するには、スクリーンからプリンタまで、グラフィックチェーンのすべてを適切なツール (測色計、関連ソフトウェア) を使って正しくキャリブレーションする必要があります。また、印刷についてもスクリーンを適切に設定 (明るさ、コントラスト、色温度) する必要があります。 また、最適な結果を実現するには、定期的にキャリブレーションを行い、作業環境の明るさや中立性を考慮する必要があります。 専門サイトや書籍を参照したり、この種の機材のメーカーが提供する文書を確認するようにしてください。

ソフト校正ツール

ソフト校正は [設定] タブで行います。関連ツールは以下の場所にあります。

ソフト校正サブパレットと白い背景

カラーパレットのソフト校正サブパレット

ソフト校正サブパレットには、以下の項目があります。

ヒストグラムの色域外の警告

ソフト校正モードのヒストグラム。モニターと出力サポートの色域外の表示が有効になっています。
色域外の通知

ヒストグラムでは、ソフト校正サブパレットで選択したプロファイルに応じて RGB や CMYK チャンネルを表示できるだけでなく、色域外の警告をカラーマスクで画像に表示できます。

表示するには、次のボタンを単体または組み合わせて使用します。

選択したモード (RGB または CMYK) に応じて、該当するボタンをクリックするとヒストグラムのチャンネルを個別に表示できます。 これにより、クリッピングや色域外の問題の影響を受けているチャンネルをプロファイルに応じて特定できます。

サムネイルの表示

ソフト校正アイコン。

ソフト校正を行い、画像に ICC プロファイルを適用すると、サムネイルの画像の左下隅にアイコンが表示されます。 このアイコンにマウスカーソルを重ねると、割り当てられたプロファイルが表示されます。

このアイコンは、ソフト校正ツールが有効になっている場合だけ表示されます。バーチャルコピーでも機能します。

ソフト校正画面のフィルタリングと表示

ソフト校正された画像またはソフト校正なしの画像のフィルタリング

画像ブラウザでは、ソフト校正の有無で画像をフィルタリングできます。 [画像のフィルタ] をクリックし、リストから以下の条件を選択します。

フィルタによりソフト校正された画像を簡単に見つけたり、特定のプロジェクトにまとめたりできます。

ソフト校正の使用

シミュレーションやソフト校正の作業には、バーチャルコピーの使用おすすめします。 バーチャルコピーを使用することで、マスター画像を維持したまま、様々なプロファイルや仕上がりのソフト校正されたバーチャルコピーを作成できます。

ソフト校正は、以下の手順で行います。

  1. [設定] タブに進み、マスター画像を選択します。
  2. ソフト校正が有効になったことを通知するダイアログボックスが開き、マスター画像の代わりにバーチャルコピーの作成が推奨されます (推奨ワークフロー)。
  3. カラーパレットで、ソフト校正サブパレットを有効にします。
  4. プロファイルメニューで、任意のプロファイルを選択します。
  5. 印刷のためにソフト校正を行う場合、[紙とインクをシミュレート] にチェックを入れます。
  6. ヒストグラムパレットで、画像の出力先に応じて色域外の警告を有効にします。Web や特定のデバイス、タブレット、モバイルなどでは [モニターの色域の警告を切り替え]、印刷や現像では [宛先の色域の警告を切り替え] を有効にします。
  7. 対象の画像に色域外の表示 (モニターでは青、用紙では赤) がある場合、[設定] タブのツール (彩度、自然な彩度、HSL) を使って必要な補正を行い、印刷できない色を減らします。 画像の仕上がりに影響する補正をここですべて行うこともできます。
  8. ソフト校正サブパレットの [彩度過多の保護] スライダを使って、色の量と彩度過多の領域のディテールに対応することもできます。
  9. 補正を実行して確認したら、ソフト校正は有効なままにしておきます (特にバーチャルコピーを使用している場合)。 有効のままにしておくことで、画像ブラウザでソフト校正のアイコンがついたサムネイルを常に確認できます。

自分で印刷する場合、ソフト校正が有効か無効かに関わらず、適切なプロファイルを自分でプリンタードライバーで選択する必要があります (ソフト校正は画像を変換しません)。

印刷会社向けに画像をエクスポートする場合、ICC プロファイルを添付する必要があるかなど、印刷会社の指示を確認してください (通常、印刷会社やラボが変換を行います)。

ソフト校正時に使用したプロファイルをエクスポート時に利用できない場合、DxO PhotoLab が初期設定の sRVB に自動的に戻し、エラーメッセージが表示されます。

CMYK プロファイルの画像をエクスポートする場合、画像は CMYK に変換されます。 エクスポートをオリジナルフォルダ内または DxO PhotoLab が管理するあらゆるフォルダで行う場合、DxO PhotoLab はそれらの画像を表示できず、補正することはできません。 画像の代わりに、警告が表示されます。

[ディティール] パレット

DxO Denoising Technologies

DxO Denoising Technologies サブパレットには、ノイズ処理の様々なモードと関連ツールにアクセスできるボタンがあります。 ノイズ除去では、ルーペツールを使用して 2 段階のズームレベルでプレビューできます。

高品質モードの DxO Denoising Technologies サブパレット。スライダーが非表示になっています。

ノイズ除去オプションの選択

モード選択ボタンは、そのモードが無効な場合にはグレー、そのモードが選択されて有効な場合は青で表示されます。

ノイズ除去のスライダと設定

DxO Denoising Technologies サブパレットのスライダー(左:高品質と PRIME に設定、右:DeepPRIME と DeepPRIME XD に設定)。

[輝度] スライダは常に表示されていますが、他のスライダを表示するには [+] ボタン (Mac) または [オプション表示] (PC) をクリックします。 RGB ファイルでは、一部のスライダを利用できません。

DeepPRIME、DeepPRIME XD/XD2s モードでは、カラーノイズ、低周波、 メイズスライダーは表示されません。

各スライダの右側にはそれぞれ表示フィールドと設定入力フィールド、マジックワンドのアイコンがあり、いつでも自動初期設定に戻すことができます。

サムネイルアイコン

ノイズ除去のアイコン (左から右に):高品質(アイコンなし)、PRIME、DeepPRIME、DeepPRIME XD/XD2s。

いずれかのノイズ除去モードで画像を処理する場合、アイコンがサムネイルの左上に表示されます。 高品質モード以外のすべてのモードには、それぞれアイコンがあります (上記をご覧ください)。 アイコンは、モードのいずれかを選択すると表示されます。 PRIME、 DeepPRIME、DeepPRIME XD/XD2s モードでは、エクスポート前にも表示されます。

ルーペ

ルーペツールによるノイズ除去のプレビュー

ノイズ除去モードと関連ツールの効果は、ルーペツールでのみプレビューできます。ただし、高品質モードでは、リアルタイムでビューアーにも表示されます。 ノイズ除去をチェックする:

  1. 上部ツールバーで、 [ルーペ]ボタンをクリックしてアクティブにします。
  2. ビューアー内で任意の位置にマウスポインタを移動してください。ルーペがリアルタイムで更新されます。
  3. ズームレベルを 100% から 1600% の間で設定できます。 ただし、ノイズ除去をチェックする際の最適な設定は 100% または 200% です。
  4. 左下のボタンをクリックするとルーペのサイズを変更できます。

高品質ノイズ除去

ISO 7200 の画像:元画像(上)、高品質(下)。
高品質モードは、DxO 標準プリセットで初期設定として適用されます。

高品質ノイズ除去の機能

[高品質] ノイズ除去オプションは、DxO PhotoLab がサポートするすべてのファイルに適用できます (JPEG、TIFF、RAW、DNG)。 このオプションは画質と速度のバランスがとれたオプションで、DxO PhotoLab で画像を開くと「DxO スタイル – ナチュラル」が自動的に適用されます。

ノイズ除去の適用と表示は、画像比較ツールを使ったり拡大表示をする場合を含め、ビューアーでリアルタイムで確認できます。 結果を判断するには、100% に拡大することをおすすめします。

すべてのスライダが使われ、DxO PhotoLab は DxO Labs で測定され特長が特定されたノイズを含むカメラの特長、使用したISO 感度を考慮します。 そのため、初期設定でスライダが同じ値を示している場合でも、高品質ノイズ除去は汎用ではありません。

補正を自分でコントロールしたい場合、 [輝度] スライダと [カラーノイズ] スライダを基本的に使い、粒状感とディテールの関係や、画像の暗い領域のカラーピクセルの存在を調整できます。

DxO PRIME ノイズ除去 (ELITE 版、RAW ファイル)

ISO 7200 での画像:PRIME

PRIME と DeepPRIME のどちらを選ぶべきか。

DeepPRIME はノイズ除去テクノロジーと取得できる結果の質という点で大きく進化しています。ただし、DxO PhotoLab では PRIME も引き続き使用できます。これは、特に処理能力や計算能力において最新ツールの要求を満たすことができないコンピュータを使っているユーザーもいるためです。

PRIME の機能

DxO PRIME (Probabilistic Raw IMage Enhancement) ノイズ除去モードは、RAW ファイルにのみ適用できます。 DxO PRIME の機能は、以下の原則をベースにしています。

PRIME のメリット

DxO PRIME を使うと、画像のディテールと色を最大限に保全する目的で、さらに高度なノイズ除去を実現できます。 以下のようなメリットがあります。

最新モデルのカメラよりもノイズが多い旧式のカメラで撮影された写真でも、このテクノロジーを活用することができます。 また、ISO 感度が高く処理品質の違いがあるほど、高品質オプションとの違いがはっきりします。 一般的に、ISO 感度1600 を越えると違いがわかるようになりますが、この値は使用するカメラや写真によっても変わります。

PRIME のデメリット

その一方、DxO PRIME は計算パワーの必要な複雑なアルゴリズムを使用するため、制約事項も発生します。

処理時間はコンピューターの性能とファイルサイズによって異なります。 数十秒から数分で完了する場合もあれば、コン ピューターが古く性能が低い場合には数十分かかることもあります。

PRIME の使用

PRIME で処理できるのは、RAW ファイルのみです。

オリジナルの画像と処理されたバージョンを比較したい場合は、[参照画像]モードを使用して両方の画像を並べて表示することができます。 比較と参照画像モードについての詳細は、インターフェイスの章を参照してください。

DxO DeepPRIME および DxO DeepPRIME XD/XD2s ノイズ除去(ELITE 版、RAW ファイル)

ISO 7200 での画像:DeepPRIME XD

ISO 7200 での画像:DeepPRIME XD2s

DxO Deep PRIME と Deep PRIME XD/XD2s(Deep はディープ・ラーニングを意味しており、PRIME は Probalistic Raw IMag Enhancement の頭文字)のノイズ除去のノイズ処理はさらに進化しています。 人工知能とニューラルネットワーク技術に基づいたそのアルゴリズムは、DxOによって長年にわたって生成された何百万もの画像にラボ分析を行って学習されたものです。 DeepPRIME XD および XD2s はディテールをさらに引き出すために進化し続けている機能です(XD: eXtra Details)。

DxO DeepPRIME と DeepPRIME XD/XD2s はノイズ除去だけでなくデモザイキングも実現します。DxO DeepPRIME では、1 枚の画像の問題をデジタルノイズの問題だけに集中することなく、全体で捉えるという全体的なアプローチを採用しています。

DeepPRIME または DeepPRIME XD/XD2s のメリット

マシンリソースとワークフローにおける DxO DeepPRIME の制約事項は DxO PRIME の制約事項と類似しています(前の段落をご覧ください)。 DxO DeepPRIME と DeepPRIME XD/XD2s には以下のようなメリットがあります。

DeepPRIME または DeepPRIME XD/XD2s のデメリット

DeepPRIME と DeepPRIME XD はグラフィックカードの計算力を大きく使用するため、最新のコンピュータを使うメリットは明らかです。 [プリファレンス]で DeepPRIME と DeepPRIME XD/XD2s が CPU(メインプロセッサ)を使うように強制することができますが、同等の画質を保持するために、処理時間とエクスポートにかかる時間は大幅に長くなります。

このように計算処理に大きなパワーが求められるため、DeepPRIME と DeepPRIME XD/XD2s は撮影されたすべての画像に適用するのではなく、対象を絞り込み、特定の画像にだけ適用するようにしてください。

DeepPRIME または DeepPRIME XD/XD2s の使用

DeepPRIME と DeepPRIME XD/XD2s は、RAW ファイルのみに適用できます。

オリジナルの画像と処理されたバージョンを比較したい場合は、[参照画像]モードを使用して両方の画像を並べて表示することができます。 比較と参照画像モードについての詳細は、インターフェイスの章を参照してください。

DeepPRIME または DeepPRIME XD/XD2s のパフォーマンスの最適化

DxO DeepPRIME および DeepPRIME XD/XD2s は、計算を実行する際の CPU の負荷を軽減するために、グラフィックカード(GPU)のパワーを使用します。 お 使いのコンピューターとグラフィックカードに互換性がある場合、自動的に GPU が使用されます。 ただし、 [プリファレンス] でいくつかのオプションを設定することもできます。

  • DeepPRIME アクセラレーションの設定を変更した場合は、必ず DxO PhotoLab の再起動が必要です。
  • 互換性がない場合、このオプションは無効になります。
DeepPRIME/DeepPRIME XD 高速処理のオプション (上:Mac、下:PC)。

レンズソフトネス補正

レンズシャープネスについて

レンズソフトネス補正機能は DxO PhotoLab の強力な機能の一つです。 この機能が補正するレンズブラーとは、レンズのポイントがずれることにより小さいぼけが発生する光学的な問題点 (一般的に「レンズぼけ」等で呼ばれています) です。 焦点があっていないぼけや、手ぶれなどは補正することができません。 DxO 光学モジュールはカメラとレンズの各組み合わせごとに、画像のすべてのポイントの「ぼけ量」の測定値を把握しています。 EXIF に含まれている撮影情報 (絞り、焦点距離など) を元に、DxO 光学モジュールによって提供される情報によって DxO PhotoLab はピクセルごとに補正を実行します。 この補正は、画像全体に均一にはかかりません。 これは、一般的にレンズは中央部分がシャープに写るためで、画像の周縁部により強い補正がかかることになります。

レンズソフトネス補正サブパレットを利用できるのは、撮影機材が DxO 光学モジュールによりサポートされている画像だけです。 撮影機材がサポートされていない場合、アンシャープマスクパレットを使い、[エッジオフセット] スライダを使って画像の中央部と周縁部のシャープネスを手動で均一にします。

JPEG 画像の場合は、カメラ内でシャープネスがすでに適用されているため、シャープネスを強くしないことが大切です。 JPEG 画像を後で編集する場合には、カメラのメニューで強調効果を無効にしてください。

DxO レンズソフトネス補正ツールによるディティールの強化は、アンシャープマスクと違って、輪郭強調による白いハロー効果が発生しません。

レンズシャープネスとアンシャープマスク

アンシャープマスクを使う前に、まず DxO レンズソフトネス補正ツールを使って、できる限りシャープネスを調整しておくことをお勧めします。 もちろん、DxO 光学モジュールにサポートされていない画像では、シャープネス処理はすべてアンシャープマスクパレットで行う必要があります。

倍率色収差

色収差について

色収差は色ごとに微妙に焦点が異なることによって発生しますが、いずれにせよ、これは非常に目につく問題で、特に高コントラスト画像の被写体や要素において顕著です。

グリーンフリンジとレッドフリンジ (横色収差)、パープルフリンジまたはグリーンフリンジ (縦色収差) などがあります。 「パープルフリンジ」は、色収差と同様ですが特定の現象で、紫色のゴーストがコントラストの高い撮影オブジェクトの境目に発生します。

ほぼすべての画像で、色収差補正やパープルフリンジの補正が必要になります。

色収差補正

横色収差 (エッジの周りのレッドやグリーンのフリンジ) は、DxO 光学モジュールによって自動的に補正されます。 この場合は、手動補正の必要はありません。

[色収差] サブパレット

その他の種類の収差 (縦など) は、パレットの 2 つ目のセクションにある 2 つのスライダで補正できます。

逆光の写真や色収差に敏感なレンズを使っている場合、パープルフリンジ補正のチェックボックスにチェックを入れます。

ReTouch ツール

ReTouch ツールでは、ダスト、不要な細かい要素などを削除できます。

コントロールポイントを追加する

ReTouch ツール (旧修正ツール) では、カメラセンサーのシミやダストだけでなく、不要な細かい要素などを削除できます。高い精度で削除できるため、他のレタッチソフトウェアの使用を避けることができます。 ReTouch ツールには以下の項目があります。

インターフェイス

[設定] タブの上部ツールバーにある ReTouch ツール
詳細パレットに表示されるReTouchツール

ReTouchツールは [設定] タブにあり、2 つの方法で有効にできます。

ツールは、画像の左下に埋め込まれた設定パレットにあります。 キーボードショートカットのパレットは右下、または Mac においては、画像の下のツールバーにもあります。

Mac 版

ツールは、画像の左下に組み込まれたパラメータパレットの下部ツールバーに配置されています。折りたたみ可能なショートカットパレットは右下に表示されます。

左: ブラシを有効にした設定パレット。 右: トランスフォームツールがアクティブ(Mac) な状態。
左: ブラシを有効にした設定パレット。 右: トランスフォームツールがアクティブ (PC) な状態。

ツールは、画像の左下に組み込まれたパラメータパレットに配置されています。折りたたみ可能なショートカットパレットは右下に表示されます。

パラメータパレットにはすべてのツール、設定、関連オプションがあります (上から下、左か右に)。

ReTouch ツールの下部ツールバー (Mac)

下部ツールバーには次のオプションがあります (左から右に)。

キーボードショートカットパレット (上部: Mac、下部: PC)。

キーボードショートカットパレットは、画像の右下にある「?」をクリックすると開いたり閉じたりできます。

ブラシ

左: Mac 版のブラシ、右: PC 版のブラシ

ブラシは円形で表示され、左下のパレットで [新しいマスク] をクリックすると有効になります。 スライダを使って、サイズ (直径)、ぼかし (縁のぼかしの度合い)、不透明度 (補正の不透明度) などの特徴を調整できます。

左: サイズ 200 px、ぼかし 100 %、不透明度 100 %
中央: サイズ 100 px、ぼかし 50 %、不透明度 100 %
右: サイズ 100 px、ぼかし 0 %、不透明度 100 %

[新しいマスク] (1 つ目のボタン) モードには、次の項目があります (中央から外に向けて)。

ブラシストロークで生成されたマスク

[ブラシストロークを追加] モード (2 つ目のボタン) では、アクティブなマスクを広げることができます。 [新しいマスク] モードのブラシと同じ部分がありますが、次の点が異なります。

[ブラシストロークを追加] モード

[ブラシストロークを消去する] モードでは (3 つ目のボタン)、アクティブなマスクのすべてまたは一部を消去できます。次の要素があります。


[ブラシストロークを消去する] モード

マスク

手動でのマスクの移動

修正を実行し、修正の表示を有効にしている場合、修正マスクは白い縁で表示されます (ブラシでクリックしただけの場合は円形、またはブラシストローク)。中央部には以下の状況に応じて異なる丸が表示されます。

マスクがアクティブではない場合、マスクの縁は見えません (透明なインジケータ)。 修正マスクを表示するには、インジケータにマスクカーソルを重ねます。 これにより、修正マスクを多く適用した場合でも、画像に無用にマスクが表示されるのを避けることができます。

修正を仕上げたり再開するには、修正マスクまたはサンプリング領域のマスク、あるいは両方のインジケータをそれぞれクリックしてアクティブにし、移動させることができます。 インジケータにマウスカーソルを置くと、カーソルは [ハンド] ツールになります。

また、後から [ぼかし] や [不透明度] の設定を変更することもできます。 その場合、サンプリング領域のマスクには、この調整の変更がすべてリアルタイムで表示されます。

表示をわかりやすくするため、アクティブでないマスクの縁は表示されません。 表示されるのは、インジケータとアクティブなマスクの縁だけです。

修正マスクやサンプルマスクに関連するインジケータを移動するには、修正マスクを有効にし、マウスポインタ (一時的に手の形になります) を対象のインジケータに配置して、好きな場所に動かします。 マスクを移動できることで、さらに細かな修正をしたり、修正をやり直すことができます。

修正マスクを削除するには、以下の手順で行います。

すべてのマスクを一度に削除するには、以下の手順で行います。

ソースを変換ツール

ソースを変換ツールを使った細かな修正

ソースを変換ツールを使うと、さらに正確で細かな修正やレタッチを行うことができます。 ソース変換ボックスを使うと、次の操作ができます。

ソース変換ボックスを有効にすると、点線の長方形で表示されます。この長方形を使って、サンプリングソースのマスクを囲み、修正やレタッチすることができます。 ソース変換ボックスには 8 つのハンドルがあり、各側面に 4 つ (頂点に 1 つずつ) あります。 ハンドルの操作には、キーボードのキーも使います。

ソース変換ボックスを鏡のように反転するには、パレットで [反転] アイコンのいずれかをクリックします。 リセットするには、回転矢印をクリックします。

ReTouch ツールの実際の使い方

センサーのダストやシミをきれいにする

ダストの削除の例 (この例はフィルムからスキャンした画像)

ReTouch ツールは、センサーに張り付いたシミやダストを画像で削除するために理想的なツールです。 この操作は、順を追った手順で行います。

  1. ReTouch ツールを有効にします。
  2. 画像を 1:1 以上にズームします。
  3. [移動 / ズーム] パレットで、画像の左上から作業を始めます。
  4. 効率的に作業するには、修正ツールでぼかしを 100%、不透明度を 100% に設定します。
  5. シミの上にブラシを置き、削除するシミを囲むようにサイズを調整します。
  6. クリックするとシミが削除され、有効なマスク (サンプリングソースと修正領域) は不透明の丸で表示され、矢印でつながれます (サンプリング > 修正の方向)。
  7. 他のシミに移動し、手順 5 と 6 を繰り返します。
  8. 画像の一部をきれいにしたら、[移動 / ズーム] パレットのフレームを使って下に移動します ([Space] バーを押しながら一時的にハンドツールを有効にし、画像を移動することもできます)。
  9. スポットごとにクリーニング作業を続けます。下まで来たら次の列の上部に移動し、画像の右下に到達するまで作業を繰り返します。
  10. [閉じる] をクリックして、ReTouch ツールを終了します。

ダストやシミを見やすく表示

マイクロコントラストツールを維持的に最大に設定すると、シミを見やすく表示できます。

画面ではほとんど見えないダストも、特に印刷出力すると目に見えることがあります。 シミやダストをうまく見つけるためのコツは、マイクロコントラストや DxO ClearView Plus (ELITE 版で利用可能) などのコントラストに反応するツールを一時的に使うことです。 このツールはディテールのコントラストを著しく強調するため、クリーニングが必要な欠陥も強調されます。 修正が終わったら、これらのツールの設定を初期設定の値に戻します。

肌のレタッチ

モデルの肌をクリーニングし、シワを弱める

ReTouch ツールは、肌のクリーニングにも効果的です。 例えば、吹き出物、肌のシミ、ニキビ、ほくろ、傷、シワ、エクボ、体毛などのディテールを削除したり、弱めたりできます。

顔をレタッチする場合、ほくろやシワなど、被写体の人物の特徴的なディテールや個性を生み出すディテールを削除しないようにしましょう。 ただし、これらのディテールは [不透明度] スライダで弱めることができます。

修正か、複製か。

クローンモードを使用した例

大抵の場合、クリーニングする画像のゾーンの特徴 (明るさ、コントラスト、色) を維持する [修正ツール] モードを使うと、修正が画像にうまくなじみます。

ただし、このモードは画像の要素をそのまま複製するため、ストラクチャがしっかりした画像の部分や画像のテクスチャを簡単に再現することができます。 さらに、[ソースを変換] モードではサイズやプロポーションの調整、反転ができる機能があるため、さらに精度の高いレタッチ作業を行うことができます。

バッチ修正

バッチ修正のために ReTouch ツールを選択

複数の画像にシミやダストがある場合、次の手順で修正できます。

  1. ReTouch ツールを使って 1 枚目の画像を修正、クリーニングまたはレタッチします。
  2. 画像を右クリックして、コンテキストメニューで [補正設定をコピー] を選択します。
  3. 補正を適用する対象画像を選択します。
  4. 選択した画像を右クリックして、コンテキストメニューで [補正設定を貼り付け] > [選択された補正をペーストする] を選択します。
  5. ダイアログボックスで [ディテール] > [ReTouch] にチェックが入っていることを確認してください (他の修正も適用したい場合、適用したいものをチェックします。適用しない場合はチェックを外します)。
  6. [ペースト] をクリックします。
  7. 修正とレタッチが対象画像に適用されます。

最良の結果を得るには、各画像上の同じ場所にある欠陥のみを正しく設定してください。 ある画像と次の画像の間で、フレーミングと傾きの違いなどがある場合、ソースサンプルを変更する必要があります。

アンシャープマスク

アンシャープマスクは、画像のシャープネスを向上させます。 このツールはオリジナルからぼけたコピーを作成し、ぼけたコピーからオリジナルを引くことで、ディテールが強化された画像を生成します。

[アンシャープマスク] サブパレット

[アンシャープマスク] パレットには 4 つのスライダが用意されています。

[アンシャープマスク] パレットの補正は、75% 以上のズームレベルで利用できます。正しい結果を確認するためには 100%で表示して作業したほうがよいでしょう。

アンシャープマスクの使用

アンシャープマスクはデフォルトではオフになっています。 JPEG ファイルの場合はカメラ内であらかじめ処理されているため必要ありません。また、DxO 光学モジュールが用意されている RAW 画像にも必要ありません。 つまり、DxO 光学モジュールによってシャープニングされていない JPEG ファイルと RAW ファイルに限定されています。 後者の場合は、アンシャープマスク設定を微調整し、プリセットを作成することをお勧めします。

強さを 100、半径を 0.5、しきい値を 4 ぐらいに設定してから調整を開始すると良いでしょう。 大部分の画像で一般的なしきい値は 4〜10 の間です。 半径は画像中の強調の細かさを変更します。値を高く設定しすぎると、にじみが発生する場合があります。 最後に [強さ] スライダを 200 以内に設定します。

[強さ] スライダをマイナス(-100 〜 0)にするとシャープネスを強調する代わりに、画像をソフトにすることができます。

部分調整で、シャープネスとぼかしを局所的に処理できます。

モワレ補正 (ELITE 版のみ)

モワレは非常に細かいディテールとカメラセンサーが干渉して発生するカラーアーティファクトです。 ローパスフィルタがないカメラなどで発生しやすくなります。 これらのカメラではフィルタが強くかかる他のデジタルカメラより鮮明に撮影されるため、その分モワレが発生するリスクが高くなります。 モワレはタイルや網目、羽、毛皮、布地などのディテールによく発生します。

[強度] スライダを使用すると、これらのアーティファクトを低減したり修復したりできます。 オートモードは 0 〜 100 までの範囲、デフォルト値は 99 です。 マジックワンドをクリックするとデフォルト値にリセットできます。

このツールの効果は、最低でも 75% 以上のズーム値に設定しないと確認することができません。

ル赤目修正

赤目修正は全自動で適用することができますが、 顔と目が検知されない場合は、手動モードで補正が可能です。 この機能 は、RAW と DNG だけでなく JPEG と TIFF 画像でも使うことができます。

[赤目修正] サブパレット

自動処理を適用するには、画面上部のコマンドバーの右端のアイコン か、 [ディテール] パレットの [赤目修正] サブパレットをクリックして有効にします。 補正は、画像内で検知された赤目の周りの楕円状の選択範囲によって制限されます。 また、サブパレット内には検知された赤目の数が表示されています。

楕円の上にマウスカーソルを持ってくると楕円が編集可能になり、以下の操作をすることが可能になります。

赤目が検知されなった場合、その旨を伝えるメッセージがサブパレット内に表示されます (顔の向きが正面でなかったり、小さすぎる場合)。 この場合、手動で修正を行うことができます。

プレビュー画像の下のツールバーには、画像内で楕円 (瞳を検知した部分) の表示 / 非表示を選択できます。また、補正のリセットボタンとツールを閉じるボタンがあります。

[ジオメトリ] パレット

焦点距離と撮影距離

レンズの焦点距離と撮影距離の情報は、写真内の EXIF 情報に記録されています。 ただし、この Exif 情報が正確に記録されていない場合があります。 たとえば、17mm と18mm などの異なる焦点距離が同じ値 (18mm) で EXIF 情報内に記録される場合があります。 この場合、最適な歪み補正を実行するための情報が不足します。 同様に、撮影距離も正確に EXIF 情報内に記録されていない場合は、補正が不正確になる可能性があります。 どちらの場合も [ジオメトリ] パレット内に表示される焦点距離と撮影距離の 2 つのパレットに正しい値を入力して調整することができます。

焦点距離と撮影距離のスライダは Mac 版では常に表示され、PC 版では自動的に表示されます。

水平

[水平] パレット

[水平] ツールは、傾いた画像を水平に補正できます。自動モードと手動モードが利用できます。

水平の補正は、クロップツールでクロップの罫線を使って補正することもできます。

自動モード:

  1. 水平スライダの右にあるマジックワンドアイコンをクリックします。
  2. 自動補正をキャンセルするには、マジックワンドをもう一度クリックします。
  3. 補正の微調整をするには、[水平] スライダを使います。

手動モード:

このモードでは、ユーザの判断で水平の傾きを補正することができます (このツールは、コマンドバーからもアクセスできます)。

  1. [水平] ボタンをクリックします。
  2. 画像内で、傾いた水平線上にラインが重なるようにアンカーポイントを移動します。
  3. 画像内に新しくラインを引き、アンカーポイントを移動して調整することも可能です (クリックしてマウスのボタンを押しながら移動)。
  4. 画像を拡大ズームした場合、 [移動 / ズーム] パレット内で位置を確認できます。
  5. 画像の下にあるプレビューボタンをクリックすると、デフォルトのビューに戻ります。
  6. [リセット] ボタンをクリックすると補正をキャンセルして元の状態に戻すことができます。
  7. [適用] ボタンをクリックすると補正が適用されます。

水平ツールは、画像に小さな回転 (5° 未満) を加えたい場合にも便利です。 小さな回転を加えるには、スライダを使うか、値を入力します。

クロップ

クロップサブパレット

[クロップ] パレット

パース補正/水平ツールで補正すると、画像の周縁部の情報が失われます。 このため、クロップパレットはデフォルトでパースペクティブ/水平に基づいて自動に設定され、アスペクト比はオリジナルに設定されています。 修正された画像上では、できるだけ多くの情報を保持しつつ自動的にトリミングが行われます。

罫線はデフォルトでは表示するように設定されています。

手動クロップ

上部ツールバー

上: PC。 下: Mac。

上部のツールバーで [クロップツール] ボタンをクリックしてクロップツールをアクティブにすると、画像の下にもバーが表示されます。 こ のバーには、左から右に、次のオプションが含まれます。

水平補正

自動補正と手動補正のいずれを選択した場合でも、水平ツールを使わずに水平を直接補正することができます。

手動クロップ

手動クロップを行う場合、ドロップダウンメニューから [クロップツール] ボタンをクリックして、 画像をクリックすると、画像内に点線の四角形が表示されます。 特定のアクペクト比を選択している場合、その比率でボックスが描かれ、サイズ変更時もその形が保たれます。 [無制約] モードにしている場合は、自由に形を変更することができます。

クロップが有効になったら画像上でマウスを左クリックしたままドラッグしてクロップボックスを描くこともできます。 四角形の横か 角をドラッグするだけでサイズを変更できます。 コーナーの 1 つを掴んで、フレームのサイズをある程度まで縮小すると、水平から垂直の比率に切り替わります。

マウスポインタを四角形の中でドラッグすると、画像上で四角形を移動させることができます (4 方向矢印がマウスポインタの代わりになります)。

ボックスの外側をクリックすると、新しいボックスを描くことができます。

ドロップダウンメニューで [アスペクト比]、[無制約] を選択した場合、[Shift} キーを押すと比率を保持できます。

そこから、定義済みのアスペクト比を選択し、独自の値を入力したり、グリッドオーバーレイを表示または非表示にしたり、ツールをリセットして閉じることができます。 手動でクロップすると、ピクセル単位の寸法がフレームの右下隅に表示されます。

クロップツールを使っている場合は、コマンドバーが画像の下に表示されます。 ここではアスペクト比を設定したり、罫線を表示/ 非表示にしたり、クロップをリセットしたり、ツールを閉じることができます。

[Enter]キーを押して補正を適用してツールを閉じるか、[Esc] キーを押してクロップ設定をリセットしてツールを閉じることができます。

カスタム比率

カスタム比率を使うと、例えば Web での公開や出版物で使用する形式に合わせたり、写真ラボが提案するサイズで現像したりする用にクロップできます。 その場合、公開後に目にするのとまったく同じ画像を確認できるため、最終出力に驚くことはありません。 ここでは、現像サービスで使用されている 175 x 50 のパノラマ形式を使って説明します。

PC

カスタム比率を適用するには、以下の手順で適用します。

カスタム比率を削除するには、以下の手順で削除します。

Mac

カスタム比率を適用するには、以下の手順で適用します。

カスタム比率を削除するには、以下の手順で削除します。

検索条件を使用する

入力したカスタム比率が既存の比率と一致する場合、既存の比率が自動的に選択・表示されます (例: 現像用に 75×50 と入力した場合は 3×2)。

現実的でない比率や一貫性のない比率を入力した場合、DxO PhotoLab は受け入れられる比率の上限を表示します。

数値には小数点を使用することができます (例: 22.5×5)。小数点はドット (Mac、PC) またはカンマ (Mac) を使用することができます。

カスタム比率は、必要な数だけ無制限に保存できます。

ディストーション

主なディストーション 2 種類: ピンクッション (左)、たる型 (右)

ディストーション補正について

光学的な形の歪みは、ピンクッション歪み、たる型歪み、もしくはそれら両方の組み合わせで発生します。 どの場合も、DxO のラボによるレンズの分析測定データに基づいて補正することができます。 直線を撮影すれば画像内でも直線として表示させることが可能です。

[ディストーション] サブパレット

[補正] ドロップダウンメニューでは、DxO 光学モジュールによる自動補正または手動補正 (カスタム) を選択できます。 DxO 光学モジュールが存在しない場合、手動補正のみ利用できます。

[強さ] スライダは、0 ~ 100 の補正範囲で調整できます。 デフォルト設定は 100%で、エッジ付近の大切なディテールのクロッピングを防ぐためや、わざと効果を狙うなどの特別な理由がない限り、デフォルトのままにしておくことをお勧めします。

ディストーションの自動補正

撮影に使用した機材を DxO 光学モジュールがサポートしている場合、DxO PhotoLab は自動的にディストーション補正を実行します。

ディストーションの手動補正

撮影に使用した機材を DxO 光学モジュールがサポートしていない場合や、DxO 光学モジュールがお使いのコンピュータにインストールされていない、もしくは読み込まれていない場合、あるいはクリエイティブ上の理由がある場合は、ドロップダウンメニューで [カスタム] を選択してください。 いずれの場合でも、まずたる型、糸巻き型、またはフィッシュアイ (魚眼レンズ) など、修正したい歪みの種類を選択します。

ディストーションを手動で補正するには、グリッドを使います。

魚眼レンズを超広角レンズに変更

魚眼レンズで撮影した画像は特徴的ですが、その画像をウルトラワイドアングルに自動変換することができます。 撮影に使用した機材を DxO 光学モジュールがサポートしている場合は自動で実行され、そうでない場合は手動で実行できます。ディストーションのタイプには [魚眼レンズ] を選択し、[強さ] スライダを使って 手動で調整します。

魚眼レンズ補正ツールを使っている場合、[画像比率維持] のチェックボックスのチェックを外します。これにより、相当量のフィールドアングルを回復できます。

画像に制限

ディストーションを補正すると、常に一定量のクロップが行われます。 DxO PhotoLab では [画像に制限] のチェックボックスにチェックマークが入っており、既定でクロップ済みの画像を表示します。 ディストーション補正を行ったために失われたエッジの黒い部分を常に表示したい場合、このチェックマークを外します。

画像比率維持

通常、ディストーション補正を実行すると画像のエッジがクロップされ、画像のアスペクト比 (幅と高さの比率) が変更されます。 アスペクト比を重要な要素として保存したい場合、パレットの左下にあるチェックボックスにチェックを入れます。 利用できる画像を広く取るために、パレットの一番下にある画像比率維持のチェックを外してみることもできます。 このチェックボックスのチェックをはずすと、画像比率は保持されませんが、クロップのリスクは最小になります。

パース補正ツール (ELITE 版)

建築写真では、撮影者が建物の正面にいる場合、あおりの角度や俯瞰でフレーミングせざるを得ない場合があります。 両方のケースにおいて、消失ライン効果のために被写体がゆがみ、その現象は画像の周縁部に行くほど強くなります。

パース補正では、垂直方向の平行や水平方向の平行の補正、長方形を強制した補正や、8 つのポイントを使って各サイドが完全に独立した方法での補正を実行するツールを使用できます。

パース補正は画像を大きくクロップする場合があります。極端な角度などは撮影時に避けるようにしましょう。 また、パース補正やクロップを行っても被写体の周りに十分なスペースが残るように、接写しすぎないようにしてください。

インターフェイス

パース補正ツールはジオメトリパレットにあり、以下の項目があります。

上部ツールバーのボタンを使うと、さまざまなパース補正モードを有効にできます。

パース補正サブパレットには、以下の項目があります。

  1. 各パース補正モードのボタン
  2. [パース補正前の画像を復元する] キャンセルボタン
  3. 自動モードのマジックワンド (さまざまな自動モードは [オプション] にあります)
  4. [強さ] スライダ (初期設定では「100」)。値を小さくすると、消失効果を適用し、補正をさらに自然にできます。
  5. [+] (Mac) または [オプション表示] (PC) をクリックすると、オプション設定セクションが表示されます。
  6. [上 / 下]、[左 / 右]、[水平 / 垂直比率] スライダでは、水平軸または垂直軸を軸に、画像を広げたり縮めたりできます。
  7. [自動補正] モードでは、垂直&水平、垂直のみ、水平のみから選択できます。

下部ツールバーでは、以下の機能を利用できます。

コントロールライン

パース補正ツールではコントロールラインを使用します。[平行を強制] モードでは 2 本、[長方形を強制] モードでは互いにつながった 4 本、[8 ポイント] では互いにつながっていない 4 本のコントロールラインが表示されます。 各コントロールラインは以下のように表示されます。

コントロールラインはマウスを使って移動できます。

マウスカーソルを画像に置くと表示される [+] ポインターを使うと、新しいコントロールラインを引くことができます。

失われる部分とクロップ

一般的に、パース補正は画像のジオメトリを変更するため、画像が歪むことになります。補正の程度によって歪みが目につく度合いは変わりますが、クロップが必要になります。 失われる部分とは、クロップで失われる画像の一部で、画像の周辺で黒いゾーンで表示されます。

[閉じる] ボタンを使って補正を確定すると、画像は自動的にクロップされ、失われる部分を考慮しながら、画像の面積を最大限に確保します。 もちろん、クロップツール (ジオメトリパレット) を使って後からクロップを変更できます。

パース歪みを補正

自動補正

参照できる水平の要素と垂直の要素が画像に十分に含まれている場合、自動モードを使うことができます。必要な場合には手動で結果を調整できます。

使い方は以下の通りです。

  1. ジオメトリパレットで [オプションを表示] を開くと、[自動補正] が表示されます。3 つのモードのいずれかを選択します (初期設定は垂直&水平)。
  2. マジックワンドをクリックします。
  3. この場合、補正は自動適用されるため、確定する必要はありません。 補正を実行したら、次の画像または別のツールに移動できます。

平行を強制

このモードでは、水平または垂直方向で消失点がはっきりしている建物のようなシンプルなケースを補正できます。

  1. パース補正サブパレットで、[平行を強制] ボタンをクリックします。
  2. 画像に 2 本の垂直線が表示されます。
  3. 画像の参照ポイントとなる水平または垂直の要素 (可能であれば同じ平面にあるもの) にコントロールラインを配置します。
  4. コントロールラインの位置、サイズ、角度を調整します。
  5. [適用] をクリックして、結果を確認します。
  6. 補正を行った後で、建物が上に向けて広がっているように見える場合、強さスライダの値を小さく設定すると、より自然に見えます (「75」はほどよい妥協値です)。
  7. [閉じる] をクリックして、確定します (画像は自動的にクロップされます)。
上:パース補正で強さ「100%」に設定。建物あるいは塔が上に向かって広がっているように見える。下:強さ「75%」に設定すると、より自然に見える。

長方形を強制

このモードでは 4 本のコントロールラインがお互いにつながっているため、真正面から撮影できず、ほぼ同じ平面にある絵画、窓、ドアなどのような被写体の直角を簡単に補正できます。

  1. パース補正サブパレットで、[長方形を強制] ボタンをクリックします。
  2. お互いにつながった 4 本のコントロールラインが画像に表示されます。
  3. 被写体のそれぞれの隅に円形を配置し、画像の参照直線を使ってコントロールラインの位置や傾きを調整します。
  4. [適用] をクリックして、結果を確認します。
  5. [閉じる] をクリックして、確定します (画像は自動的にクロップされます)。

8 ポイント

[8 ポイント] モードは [長方形を強制] モードと同じように機能します。ただし、4 本のラインはそれぞれ独立しているため、コントロールラインを好きな場所に動かすことができます。特に参照ラインが画像内の違う平面や遠い場所にある場合に便利です。

  1. パース補正サブパレットで、[8 ポイント] ボタンをクリックします。
  2. それぞれ独立した 4 本のコントロールラインが画像に表示されます。
  3. 画像の参照ライン上にコントロールラインを動かし、角度やサイズを調整します。
  4. [適用] をクリックして、結果を確認します。
  5. [閉じる] をクリックして、確定します (画像は自動的にクロップされます)。

オプションのスライダ

X/Y 比率スライダを備えた水平ストレッチと、左/右スライダを使って垂直軸の回転を行います。

パース歪みを補正する場合、画像や撮影時の状況に応じて、方向や歪みの問題が発生したり、画像の自然さが失われたりする場合があります。 以下の 3 つのスライダを使うと、これらの問題を補完して、微細な設定を適用できます。

部分調整のパレット

正確なレタッチ作業が必要な場合や、ワンランク上の画像を再現したい場合、DxO PhotoLab の部分調整機能を使うと、画像を部分的に直接補正することで高度な画像処理を行うことができます。 空の色を濃くする、逆光の被写体を明るくする、シャープネスを上げる、特定のディテールの色を強調するなど、活用方法は無限大です。

部分調整へのアクセス

[部分調整] にアクセスするには、パレットに移動し、いずれかのボタンをクリックして、目的のツールをアクティブにします。 パレットには、マスクオプションと部分的に使用できる補正ツールの完全なセットも含まれています。

ボタンは (左から順に):

パレットには以下のセクションも含まれています。

* これらのツールの説明は、[設定] タブのそれぞれのパレット専用のセクションで確認できます。 リスト内の項目をクリックしてアクセスします。

展開/折りたたむ

[部分調整] パレットの任意の場所にマウスを置いて右クリックすると、メニューから次の操作を実行できます。

マスクの管理

部分調整のパレットでは、部分調整マスクや補正マスクを全体または個別に操作・表示でき、不透明度の調整やマスクの反転などの全体的な変更を実行することもできます。

ブラシ、段階フィルタ、自動マスク、明度マスク、コントロールポイントやコントロールラインなどの部分調整マスクを作成すると、それらのマスクはパレットにリストで表示されます。 画像に与える結果は、リストの表示順に関わらず同じです。

リストの上にマウスを置くと、マウスを置いたマスクがパレットで明るくなります。 他のマスクは一時的に非表示になるため、そのマスクがアクティブかどうかに関わらず、そのマスクだけを画像の中で確認できます。 これにより、リストのどのマスクが画像のどのマスクに対応するか確認することができ、たとえば微調整を確認したい場合には、表示されたマスクだけに集中できます。

不透明度スライダ

部分調整を実行した後、不透明度スライダを使って濃度や効果を調整できます (初期設定では 100 に設定されています)。 これにより、実行した調整が強すぎる場合でも、変更・低減する調整をパレットで操作したり、最初から作業をやり直すことを避けられます。

[不透明度] スライダは、部分調整ツールを使用すると、パレットに自動的に表示されます。

空に適用した段階的フィルタの不透明度スライダを 100 (上) と 0 (下) に設定。

マスクの選択幅スライダ

輝度と色公差低減の例。

コントロールポイントまたはコントロールラインでは、マスク選択スライダを使用できます。 コントロールポイントまたはコントロールラインがカバーする色の許容範囲を調整できます。 これにより、色相や明るさのレベルのバリエーションを調整に含めることができます (たとえば、肌の色の色相のバリエーションを考慮する場合など。次の例を参照してください)。

マスクの表示と非表示の切り替え

カラーマスクと関連する補正の表示、またはそのいずれかの表示と非表示を切り替えることができます。

ディスプレイのマスクカラーがデフォルトで赤に変更され、カスタマイズできるようになりました。 ただし、ユーザーガイドのスクリーンショットは以前のデフォルトカラー(シアン)で表示されています。

マスクの反転

段階フィルタの反転

[マスクの反転] ボタンはパレットの右下にあり、選択した部分調整と画像の残りの部分をワンクリックで反転できま す。 たとえば、暗い領域をブラシで塗り、[マスクの反転] をクリックすると、塗りつぶした領域は元の明るさに戻り、画像の残りの領域がより暗くなります。 別の例としては、段階フィルタを画像の上部に上から下に適用し、[マスクの反転] をクリック すると、段階フィルタは画像の下部に上向きに適用されます。

マスクの名前の変更

部分調整パレットでのマスクの名前の変更

マスクは部分調整パレットのリストにあり、初期設定では使用するツールに基づいて名前が付けられています。 マスクの名前は自由に変更することができます。 たとえば、どの種類の修正や写真のどの箇所に修正したかなどを一目でわかるようにするため、ワークフローに関連した名前に変更できます。

名前を変更するには、リストのマスク名をクリックして、新しい名前を入力します。 [Enter] キーを使って確定する必要はありません。 別の名前を変更するには、リストで次のマスクに移動します。

PC では、右クリックしてコンテキストメニューから [名称変更] を選択できます ([F2] キーを使うこともできます)。

名前を変更しても、マスクがリストに表示される順番は変わりません。

マスクの複製

マスクの複製

マスクを複製すると、同じ調整のマスクを簡単に追加できます。 そのためには、次の 2 つの方法があります。

複製されたマスクはオリジナルのマスクの上に重なって表示されます。 移動させるには、円形をクリックし、マウスでホールドします。 マスクは好きな数だけ複製できます。名前にはオリジナルのマスクの名前が使用されます (お好きなように変更できます)。

マスクの削除

マスクを削除するには、削除するマスクをリストでクリックして選択し、パレット右下の [マスクの削除] ボタンをクリックします。 右クリックで表示されるメニューから削除することもできます。

画像上でマスクを削除するには、画像上で円形をクリックしてアクティブにし、[Delete] キー (PC および Mac) または [Backspace] キー(Mac) を押します。

部分調整マスクの使用

部分調整のマスクとは、画像の特定の領域や要素に行った補正やレタッチのことです。 プリセットによる補正、 [設定] タブの補正ツールを使って自動または手動で行った全体的な補正に関係なく、レタッチを追加して使用できます。

部分調整ツールのいずれかを使用する場合、レタッチしたい画像の一部にマスクを作成します。 そして、パレットの角部分を使ってマスクに調整を適用していきます。 レタッチするゾーンは、青色のマスクで表示されます (コントロールポイントは除く)。これにより、画像の補正対象部分を簡単に認識できます。

インターフェイスの共通項目

マスクを選択した後、共通インターフェイスは次のように表示されます。

マスク表示オプション (PC)

部分調整がアクティブな状態でマウスをポイントすると、 画像の右上隅に次の 2 つのオプションが表示されます。

ツールバーとマスク表示オプション (Mac)

部分調整ツールバー (上部: ブラシ/自動マスク/消しゴム、中央: コントロールポイント/ライン、下部: 段階フィルタ)

部分調整をアクティブにすると、選択したツールに応じて、画像の下にあるツールバーに一定のオプションが表示されます。

クロップした領域を表示する

[クロップなしで表示する] オプションでは、クロップした画像全体を表示できます。必要な場合にはマスク (ブラシ、コントロールポイント、段階フィルタなど) を配置したり、フレーム外でコントロールラインのカラーピッカーを使ってサンプリングすることもできます。 以下の方法で有効にします。

フレーム外の領域は、半透明の暗いマスクで表示されます。

部分調整あり / なしの画像の比較

DxO PhotoLab の参照画像ツールを使うと、部分調整あり / なしの画像を比較できます。 この機能を使うと、画像上で部分調整の影響を評価したり、必要な場合は補正を元に戻したり、作業を続けたりできます。

部分調整あり/なしの画像は、以下の手順で比較できます。

比較を終了するには、参照画像に戻り、[部分調整修正以外のすべての修正] のチェックマークを外します。

部分調整ツール

部分調整ツールは、パレット内のボタンの順で表示されます。

コントロール ポイント

DxO PhotoLab では、コントロールポイントを使用できます。

コントロールポイントは、非常に特長的な機能を持った部分調整ツールです。ユーザーが画像の上をクリックしてコントロー ルポイントを設定すると、コントロールポイントのピクセルの明度、コントラスト、色調を考慮し、ユーザーが定義した範囲 内で、同じ特徴を持ったピクセルにその補正を適用します。

簡単な例をあげてみましょう。コントロールポイントを、別の背景の前にある赤いマグカップの上に置き、マグカップを囲むように範囲を調整した場合、赤いマグカップの上にだけ補正が適用され、背景にはみ出ることはありません。

画像の中によく似た赤色の別の被写体があった場合でも、その被写体がユーザーの定義する範囲に入っていなければ、補正が適用されることはありません。 ただし、ユーザーが赤い被写体を範囲内に入れた場合、赤い被写体には赤いマグカップと同じ補正が適用されます。 この被写体に別のコントロールポイントを適用した場合、1 つ目のコントロールポイントとは別に補正が行われます。

コントロールポイントの使い方

コントロールポイントを使うと、ツールのアクション範囲で定義した領域に選択的補正を行うことができます。その場合、アクション範囲の外側にあり、コントロールポイントがカバーするピクセルと異なる特徴のピクセル部分に影響を与えることはありません。

コントロールポイントとコントロールラインは、同じマスク内で組み合わせて使用することができます。

これは、コントロールポイントとラインの保護にも適用されます。

コントロールポイントの有効化

他の部分調整ツールと同様に、[部分調整] パレットに移動し、[コントロールポイント] ボタンをクリックします。

部分調整の作業中の場合、画像を右クリックしてリングメニューを表示し、コントロールポイントを選択します。 コントロールポイントは好きな数だけ追加できます。 また、既に他の種類の部分調整マスクが存在する画像にも使用できます。

部分調整が有効になると、キーボードショートカット [Shift] + [C] で他のツールからコントロールポイントに切り替えることができます。

コントロールポイントを使う

マスクを有効にした後、マウスのカーソルを画像の上で動かすと、カーソルが [+] に変わります。 修正したい領域または画像の一部をクリックします。 コントロールポイントマスクは、中央にプラス記号をのある円と、より大きな周囲の円で表されます。 ここでも、青色の縁のある円はコントロールポイントがアクティブであることを示しています。

画像の複数の場所に同じ補正を適用するために、コントロールポイント同士を結びつけることができます。 そのためには、アクティブなコントロールポイントを使い、画像上で好きな回数クリックしてください。 二次コントロールポイントはシンプルな十字線とアクション範囲の円で表されます。それぞれのコントロールポイントは別々に設定できます。 イコライザを使用して任意の調整を適用します。 調整はコントロールポイント全体、つまり、一次コントロールポイントとすべての二次コントロールポイントに適用されます。

ただし、異なる調整を適用するには、そのたびに新しいコントロールポイントを作成する必要があります。

外側の円をマウスで掴んでコントロールポイントのアクション範囲を調整し、イコライザーで必要な調整を行ってください。

コントロールポイントの移動

中央の円形をマウスで動かし、コントロールポイントを自由に移動することができます。

グレースケールでのマスクの表示

アクティブなコントロールポイントで実行した補正や調整をわかりやすく表示するには、[M] キー (Pc) または [Shift] + [M] キー (Mac) でグレースケールのマスクをアクティブにします。

マスクを有効にすると、アクティブなコントロールポイントの内容がモノクロで表示されます。 補正により最も影響を受ける領域や項目は白、影響を受けない部分は黒で表示され、異なる色調のグレーは、異なる程度の影響を受けた領域を示します。 これにより、コントロールポイントで適用した補正を非常に正確に確認してコントロールすることが可能になります。

画像の一部の保護

保護用のコントロールポイントを適用すると、他のコントロールポイントが画像の一部に調整を適用しないように保護できます。 Alt キー(PC)か Option キー(Mac)を押した後、保護コントロールポイントを設置したい任意の点をクリックしてください(Mac の場合、画像の下のツールバーに、「ー」(マイナス)記号の付いたコントロールポイントアイコンをクリックすることもできます)。 イコライザーで調整を実行します。 調整は、保護された領域には適用されません。

また、1 つ以上のコントロールポイントとコントロールライン 1 本を組み合わせることもできます。

コントロールライン

コントロールラインの原則は、コントロールポイントと同じです。また、ある意味段階フィルタの原則も踏襲し、画像の幅全体をカバーできるというメリットもあります。 ピクセルの分析は、コントロールポイントではなく、カラーピッカーを使って分析します。カラーピッカーはマスクのあらゆる場所に配置でき、調整する部分を選択できます。

例としては、雲のある青空の調整が考えられます。 コントロールポイントを使うと、十分な範囲をカバーするために複数のコントロールポイントを配置し、調整が均一になるようにコントロールポイントをグループ化する必要があります。 コントロールラインを使うと、空全体をカバーするためにラインを引き、参照ピッカーを使って青空をクリックすると、修正を画像のこの部分だけに均一に適用できます。

コントロールラインの有効化

他の部分調整ツールと同様に、[部分調整] パレットに移動し、[コントロールライン] ボタンをクリックします。

部分調整の作業中の場合、画像を右クリックしてリングメニューを表示し、コントロールラインを選択します。 コントロールラインは好きな数だけ適用でき、他の部分調整マスクと組み合わせることもできます (消しゴムは除く)。

コントロールラインの使用

リングメニューでコントロールラインを有効にしたら、画像の上で動かします。 マウスポインタが [+] の形になり、調整する画像部分をカバーするようにコントロールラインを動かします。 コントロールラインは、2 つの点線の間にあります。 下のラインは、傾けたり、修正する領域のサイズを増減するために移動させることができます。

円形の近くにあるカラーピッカーを使って参照ゾーンを選択します。マウスでカラーピッカーをドラッグし、画像の好きな場所に配置します。 あとは、利用可能なツールを使って調整を実行するだけです。

コントロールラインの移動

コントロールラインの円形をつかみ、コントロールラインを移動できます。 カラーピッカーを他の場所に置いた場合でも、Ctrl (PC) または Cmd (Mac) キーを押すと、カラーピッカーも同時に移動できます。

グレーマスクの表示

アクティブなコントロールラインを使って実行した補正や調整をわかりやすく表示するには、グレーレベルマスクを使用します。グレーマスクは、 [M] キー (Pc) または [Shift] + [M] キー (Mac) を使うか、画像下部の [マスクを表示する] にチェックマークを付けてアクティブにすることができます。

白い領域は最大限の補正レベル、黒い領域は補正されていない領域、グレーのバリエーションは適用した補正の強さを表します。 これにより、参照ゾーンとコントロールラインを使って適用した補正を確認し、非常に高い精度でコントロールできます。

画像の一部の保護

コントロールポイントと同様に、画像の任意の場所に、他のコントロールラインからの補正の適用を防ぐ、保護用のコントロールラインを適用できます。 Alt キー(PC)または Option キー(Mac)を押した後、保護用のコントロールラインを配置したい場所をクリックします(Macでは、画像下のツールバー内で、「ー」(マイナス)記号付きのコントロールラインアイコンをクリックすることもできます)。次に、画像上に線を引き、保護したい参照領域をスポイトで選択してサンプリングします。この状態でイコライザーを使用して補正を行うと、保護された領域にはそれが適用されません。

また、1 つ以上のコントロールポイントとコントロールライン 1 本を組み合わせることもできます。

段階フィルタ

段階フィルタの使い方

段階フィルタはレンズに取り付けるグラデーションフィルタの効果をシミュレートします。 このフィルタは特に風景写真の露出のバランスをとるために有用で、明るく晴れた空と暗い地面の間の極端なコントラストを低減できます。

 

段階フィルタの有効化

他の部分調整ツールと同様に、[部分調整] パレットに移動し、[段階フィルタ] ボタンをクリックします。

部分調整が有効になると、キーボードショートカット [Shift] + [G] で他のツールから段階フィルタに切り替えることができます。

段階フィルタの適用

段階フィルタが有効になると、マウスポインターの形が [+] (Mac) /水平階層のアイコン (PC) に変わります。 マウスカーソルを画像の上部に置き、マウスを下に向けて動かします。

段階フィルタは次の要素で構成されています。

パレット内のツールを使って補正します。 同じ場所に、それぞれ調整度合いの違う複数の段階フィルタを重ねたり、単に同じ段階フィルタ内で複数の補正を組み合わせることもできます。

段階フィルタの管理

段階フィルタの追加また減少

ある画像に段階フィルタを適用する場合、たとえば、空を暗くしたり強調したりしたい場合、その効果を地面の上の他の要素 (建物、風景、彫像など) には適用したくないでしょう。そのような時に [消しゴム] が選択範囲の除外に役立ちます。 一方、段階フィルタに、フィルタのカバーする範囲に含まれていない、画像の特定の部分を追加したい場合もあります。 この場合、ブラシツールを使用して選択範囲に追加できます。

明度マスク(DxO FilmPack がインストールされている場合)

明度マスクは、DxO FilmPack がインストールされ、アクティブになっている場合にのみ利用できます。

明度マスクを使用すると、非常に高い精度で調整可能な、「明るさの範囲」とその濃淡に基づいて画像を補正できます。

明度マスクを有効にし、「マスクオプション (Mask Options)」サブパレットを開いてツールにアクセスします。

明度範囲の選択

明るさの範囲を選択するには、次のツールが利用できます。

写真上では、明度マスクはすべての部分調整ツール同様、色のついたマスクと円で表示されます。

明度マスクの微調整

明度の範囲を決定においてどの方法を使用した場合でも、次のツールを使用して絞り込むことができます。

このようにして台形の位置と範囲に変更することによって、フォールオフの範囲を変更するとともに、 極めて正確に選択範囲の設定できます。 また、[不透明度] スライダはデフォルトで 100 に設定されていますが、明度マスクの強度を下げていくことで、それに伴う部分調整の効果を減少させることもできます。

明度マスクの円を画像に移動すると、マスク、台形、値がそれに応じて更新されます。

台形を移動させると、画像内に表示されている円が値に応じて再配置されます。

明度マスクの追加または減少

さらに、ブラシで選択範囲を追加したり、または [消しゴム] で選択範囲を消し込むことにより、明度マスクの精度をさらに高めることができます。

色相マスクツール

色相マスクツールを使用すると、非常に高い精度でトランジションも含めて調整可能な、「色の範囲」に基づいて画像を補正できます。

[色相マスク]サブパレットの説明

色相マスクツール

部分調整で利用可能な[色相マスク]サブパレットには、以下の要素が含まれています。

  1. 不透明度:このスライダーを使用すると、色相マスクの強度や関連する設定を調整および微調整することができます。 デフォルトでは、最大値は 100 に設定されています。左に動かすと、徐々に補正量が減少します。 上下の矢印を使用して値を入力または調整することもできます。
  2. 色相チャンネル:初期選択用の 8 つの事前定義チャンネルがあり、そらにそこから台形を使用して範囲をさらに絞ることができます。
    • オレンジ
    • シアン
    • マゼンタ

チャンネルのいずれかをクリックすると、台形には対応する色相の範囲が表示され、[マスクを表示]オプション(画像の下部ツールバー)がチェックされている場合、画像には、関連するインジケーターとオーバーレイマスクの表示が表示されます。

  1. 色相選択スポイト:色相マスクツールがアクティブ化されると、マウスポインターは、画像上に重なった際にスポイトに変わります。 画像をクリックして、色相の範囲を選択します。必要に応じて何度でもクリックして再サンプリングできます。 色相の範囲を選択した後、範囲が台形で表示され、[マスクを表示]オプション(画像の下のツールバー)がチェックされている場合、画像上にはインジケーターと色表示マスクが表示されます。
  2. 台形:選択した色相の範囲を示し、さらにスケールに沿って台形を動かすことによって調整することができます。 どの方法で色相の範囲選択を行った場合でも、以下のツールを使用してそれを絞り込むことができます。
    • 台形の上の黒い三角形と対応する点線は、選択された色相範囲の境界を表しています。 色相値(0から360まで)は、上部のフィールドに表示されています。 矢印をクリックするか、直接入力して値を調整することもできます。
    • 台形の下の灰色の三角形は、選択された範囲の各端での色相のトランジションを示します。 これらの三角形を点線から離して移動すると、トランジションの幅が広がり、その範囲を通じて色相が薄められていきます。 点線に近づけるとトランジションが狭くなり、より急激な変化になります。 2 つの下限値フィールドを使用して、0 から 360 までの範囲で色の値を調整することもできます。
    • 選択した色相範囲が両端にある場合、より便利に色のスケールを移動させることができます。

台形の位置と範囲、およびトランジションの範囲を調整することで、部分調整スライダーを使った補正の対象となる色相範囲を極めて正確に選択できます。 これにより、台形によって表される色相範囲に対応する画像部分だけを明るくしたり、暗くしたり、彩度を上げたりすることができます。

  • * 値 0 から 360 は、主要な色とその補色を円環上に表現するカラーホイールに直接対応しています。 DxO PhotoLab の HSL ツールでも同様に表されています。
  • ** 明度マスクの円を画像上で移動させると、マスク、台形、その値がそれに応じて更新されます。
  • ***台形を移動させると、画像に表示されている円が色相範囲に対応するように再配置されます。

色相範囲を選択した後の台形(青)

色相の範囲を拡張

トランジションを拡張

色相マスクおよび露出補正とかすみ除去の組み合わせで、空に深みとインパクトを与える。

台形は色相範囲内で移動させることが可能で、一方の端から、マウスで色相範囲を移動させることもできます。

自動マスク

自動マスクを使うと、明るさ、コントラストや色の違いで定義されたエッジをはみ出ることなく、画像の正確な領域内で補正対象を塗ったり、補正を適用したりできます。

使い方はブラシの使い方によく似ています。ただし、エッジの自動検出はブラシとは異なる機能です。 補正はエッジ内部だけに適用されるため、はみ出しても問題ありません。

自動マスクの使い方

具体的な使用ケースとしては、たとえば、背景の中で際立っている車の色を変える場合が考えられます。 自動マ スクは、明確な被写体や要素の上で特に威力を発揮します。 空の調子を変えるには、コントロールポイントか段階フィルタを使います。

自動マスクの有効化

他の部分調整ツールと同様に、[部分調整] パレットに移動し、[自動マスク] ボタンをクリックします。 画像に他の部分調整マスクが使われている場合でも、自動マスクを使うことができます。

部分調整が有効になると、キーボードショートカット [Shift] + [A] で他のツールから自動マスクに切り替えることができます。

自動マスクの使用

有効にすると、自動マスクはブラシのように見えます (中央に [+] マークのある青色の円)。

画像をクリックすると、青色の「A」というラベルがついたブラシを含む、マスクの円が貼り付けられます。 青色の縁は、アクティブなマスクであることを示します。

次に、補正する領域や要素に色を塗ります (塗る前/後にイコライザーの設定を行うことができます)。

連続してクリックして、ブラシストロークを適用することもできます。 ある要素からはみ出した場合でも、補正はエッジ内部に制限されます。 要素からはみ出した場合、特にレタッチする要素の一部が画像の他の要素と混じり合っている場合、[Alt] + クリック (PC)、または [Option] +クリック (Mac) ショートカットキーを使って、消しゴムを有効にしてください。

質感のある要素の場合、完全にカバーすることはできません。その場合、ブラシをかけてください。

内側の円 (濃い青) は自動マスクを定義します。
外側の円 (水色) は、エッジを検出します。

ブラシのサイズは、[Ctrl] (PC) または [Cmd] (Mac) キーとマウスホイールとを組み合わせて調整できます。

アクティブなマスクを表示するには、画像の下のツールバーから [選択したマスクオーバーレイを表示] にチェックマークを付けてください。

ただし、自動マスクのブラシにぼかし機能は含まれません。

自動マスクの管理

自動マスクを削除するには、円の上でクリックして自動マスクを有効にし、[Return] キーを押してください。 別の自動マスクを作成する必要がある場合、円の上でクリックしてアクティブなマスクの選択を解除し、画像内の任意の場所をクリックしてください。

最後に、円をクリックして有効にし、マウスでドラッグすることで、ブラシと同じように、画像の上で自動マスクを動かすことができます。

ブラシ

ブラシを使うタイミング

ブラシはマスクの一種で、マウスで色を塗るだけで画像の一部をレタッチできます。また、あらゆる種類のポインティングデバイス (タッチ画面、トラックパッド等) を使うことができます。

このユニバーサルツールは、逆光の中の被写体を明るくしたり、 一輪の花の色だけを強調したり、モデルの目の鋭さを強めたりするなど、さまざまなタスクを実行できます。 特にブラシで連続的に塗っていくことができるため、応用の可能性は無限です(例: シルエット全体を明るくするため)。対象ごとに適用することもできます(例: 一度に 1 つの目だけを強調するなど)。

また、1 枚の画像に複数のブラシマスクを作成することもできます。

ブラシの有効化

[部分調整] パレットで、[ブラシ] ツールをクリックします。

部分調整が有効になると、キーボードショートカットの [Shift] + B で 他のツールからブラシツールに切り替えることができます。

ブラシの使い方

ブラシは、ブラシのアイコンのついた青色の円で表示されます。 画像のレタッチしたい部分をクリックします。 マスクとイコライザのアクティブな円が表示されます。 この段階では、塗り続けて後で設定を調整することも、まず設定を調整して後で画像を塗ることも可能です。

もちろん、画像の同じ部分の上のイコライザに、複数の調整ツールを使用できます。 例えば、対象を明るくし、そのシャープさとマイクロコントラストを高めることができます。

ブラシの調整 (上: PC、下: Mac)。

塗る際には、レタッチ作業を進めやすくするためにブラシを動かした場所に青色のマスクが描かれます。

精度を上げたり、エッジに沿って塗る場合は、画像をズームインして作業してください。 ブラシで塗らない時は、画像の下のツールバーから [選択したマスクを表示] のチェックマークボタンを使って、青色のマスク表示を有効 / 無効にできます (Mac のみ)。

マスクの作成と管理

異なる対象をレタッチしたり、飛び飛びに塗るために、必要な数だけマスクを作成できます。 また、レタッチの範囲を重ねることもできます。

新しいブラシマスクを作成するには、実行中のマスクの円の中をクリックして選択を解除します。 次に、[+] マークのついた青色の円を希望の場所に動かしクリックします。これで新しいアクティブなマスクが作成され、ブラシでマスクの範囲を塗ったり、調整を行ったりできます。 ブラシマスクを画像内で移動するには、そのマスクの円をクリックしてマスクを自動で有効にし、マウスボタンを押したままドラッグします。

マスクを削除したい場合、マスクをアクティブにして、キーボードの [Return] キー (Mac) または [Delete] キー (PC) を押してください。

輪郭からはみ出した場合や、失敗を修正したい場合、[Alt] キー (PC) または [Option] キー (Mac) を押して消しゴムを有効にし、アクティブなマスク上で消しゴムを動かしてください。 消しゴムで消す場所を確認するには、青色のマスクを参考にしてください。 消しゴムのサイズとぼかしは調整することもできます。

ブラシモードに戻るには、[Alt] / [Option]キーを離してください。

消しゴム

消しゴムを使用すると、部分調整をさらに微調整し、不要な部分を修正することができます。 例えば、ブラシや自動マスクが対象の端を越えた時などに使います。 選択したマスクの種類によっては、補正を追加したり低減したりできます。

注: 他の部分調整ツールと消しゴムを一緒に使うケースについては、関連セクションを参照してください

消しゴムの有効化

消しゴムを有効にするには、2 つの方法があります。

1 つ目の方法では、マウスカーソルが消しゴムの形になります。 サイズを変更するには、Ctrl (PC) または Cmd (Mac) を押しながらマウスホイールを使用します。 Shift キーを押しながらマウスホイールを使ってフェザー効果を変更します。

消しゴムの使い方

円の上をクリックして、マスクを選択します。 どこを消しゴムで消すかよく確認するために、画像の下のツールバーで [選択したマスクオーバーレイを表示] にチェックマークを付け、青色のマスク表示を有効にします。

補正または作業をしたい部分調整の上で消しゴムを動かします。 間違えて補正を消してしまった場合、[Alt] (PC)、または [Option] (Mac) キーを押しながらクリックすると、一時的に [ブラシストロークを追加する] に移り、補正を復元することができます。 これにより、調整を修復することができます。 編集したい場合は、イコライザの設定を変更できます。

別のマスクで消しゴムを使うには、アクティブなマスクを非アクティブにし (円の中をクリック)、別のマスクをアクティ ブにします (円の中をクリックすると青色の縁が表示)。

注意: 消しゴムは、ブラシと自動マスク機能で作業中、いつでも使うことができます。[Alt] (PC) または [Option] (Mac) キーを押してください。

透かしのパレット

透かしの役割と有用性

DxO PhotoLab では、テキストまたはグラフィック、あるいはその両方の透かし (ウォーターマーク) を画像に埋め込むことができます。 DxO Instant Watermarking ツールでは、透かしを作成したり設定を操作する際に、透かしを画像ですぐにプレビューできます。 また、エクスポートした画像に透かしを埋め込むかどうかを自由に決めることもできます。

透かしには複数の役割があります。

適切な方法でテキストや画像が埋め込まれていると (縁際に配置しないようにします)、画像の盗難、不許可の再使用や再発行を妨げることができます。 その一方、透かしが目につきすぎると、画像を見る人の注意がそれたり、画像を見てもらえなくなってしまいます。

透かしに画像を使う場合、レタッチソフトウェアまたはグラフィックデザイナー向けソフトウェアで事前に作成しておく必要があります。 DxO PhotoLab ではロゴや他のグラフィック要素を作成することはできません。

透かしは、メタデータに示される作成者情報や著作権情報に代わるものではありません。そのため、これらの情報を引き続きメタデータのパレットで入力するようにしてください。

透かしのパレット

[Instant Watermarking] パレットは、 [DxO -アドバンス] のスペースで [設定] タブの右側ウインドウの下部に表示されるか、基本ツールパレットのサブパレットとして表示されます。 [Instant Watermarking] パレットは初期設定では無効になっています。 [画像] または [テキスト] のオプションをクリックすると有効になり、選択したオプションごとにツールが表示されます。

透かしを画像に適用すると、ビューアー内でも画像ブラウザのサムネイル内でも、常に透かしが表示されます。 透かしはいつでも変更したり置き換えたりできます。ただし、エクスポートした画像に適用された透かしを変更することはできません*。

* [DNG 形式でエクスポートする (ノイズ除去と光学補正のみを適用)] オプションでエクスポートされた画像には、透かしは適用されません。

透かしの埋め込み

透かしを画像に埋め込むには、以下の手順で行います。

  1. 対象の画像を [画面に合わせて表示] し、透かしのサイズ、バランス、表示方法をリアルタイムで確認します。
  2. 透かしのサブパレットで、 [画像] ボタンをクリックして画像オプションを選択します。
  3. プレビューウインドウで、 [参照] をクリックします。
  4. ダイアログボックスが開いたら、画像を探して選択します。 [開く] をクリックします。
  5. プレビューウインドウと写真上で、プレビューウインドウの右下にあるチェッカーボードで選択した場所にロゴが表示されます。 インポートされたファイル名はプレビューウインドウの下に表示されます。
  6. チェッカーボードの 9 つのマス目のいずれかをクリックすると、画像の中央、上部、下部、左側、右側、隅に透かしの画像を配置できます。
  7. 中央以外の場所を選択すると、余白スライダが有効になります。たとえば、左側の位置には左余白、左上の位置には左余白と上余白が表示されます。 これらのスライダを使って (初期設定では「0」に設定)、写真内のどこでも好きな位置に透かしを配置できます。
  8. チェッカーボードの左側にある [透かしを回転する] ボタンでは、クリックするごとに透かしが 90° 回転します。
  9. [目盛り] スライダで透かし画像のサイズを 1~100 の間で調整します(初期設定は 15)** 。
  10. [ブレンドモード] オプションでは、透かし画像を写真に埋め込む方法を 7 種類のオプションから選択できます (詳しくは、「テキストを埋め込む」の段落をご覧ください)。
  11. [不透明度] スライダを使うと、透かし画像の不透明度を変更して写真内での透かしの存在を調整できます。

** 周縁部のクロップや表示レベルの低下を避けるため、十分な解像度とサイズの画像を使用してください。

テキストの埋め込み

テキストは写真に署名をする最もシンプルな方法で、自分の名前や会社名などを埋め込むことができます。 画像やロゴとは違い、テキストの場合は OS に搭載されているフォントを使い、DxO PhotoLab で直接テキストを入力します。

テキストの透かしを画像に埋め込むには、以下の手順で行います。

  1. 対象の画像を [画面に合わせて表示] し、透かしのサイズ、バランス、表示方法をリアルタイムで確認します。
  2. 透かしのサブパレットで、 [テキスト] ボタンをクリックしてオプションを選択します。
  3. [画像 / テキスト] ボタンのすぐ下に表示される入力フィールドをクリックして、テキストを入力します。サブパレットのその他のツールも有効になります。 テキストを入力して、 [Enter] ボタンを押して確定すると、埋め込んだテキストが画像に表示されます。
  4. 入力フィールドの下にあるドロップダウンメニューから、お好きなフォントを選択します (初期設定は「Arial」です)。
  5. 初期設定では白になっているフォントの色も変更できます。白い正方形をクイックすると、OS のカラーパネルが表示され、好きな色を選択できます。
  6. 色を選択する四角の左側にあるメニューでは、フォントのスタイルを変更できます (太字、イタリックなど)。
  7. チェッカーボードの 9 つのマス目のいずれかをクリックすると、テキストの中央、上部、下部、左側、右側、隅に透かしのテキストを配置できます。
  8. 中央以外の場所を選択すると、パレットで余白スライダが有効になります。たとえば、左側の位置には左余白、左上の位置には左余白と上余白が表示されます。 これらのスライダを使って (初期設定では「0」に設定)、写真内のどこでも好きな位置にテキストの透かしを配置できます。
  9. チェッカーボードの左側にある [透かしを回転する] ボタンでは、クリックするごとにテキストが 90° 回転します。
  10. [目盛り] スライダでテキストのサイズを 1~100 の間で調整します(初期設定は 35) 。
  11. [ブレンドモード] オプションでは、透かしテキストを画像に埋め込む方法を 7 種類のオプションから選択できます (詳しくは以下をご覧ください)。
  12. [不透明度] スライダを使うと (初期設定では「100」に設定)、透かしテキストの不透明度を変更して写真内での透かしの存在を調整できます。

文字数には制限はありません。また、使えない文字や互換性のないフォントもありません。

ブレンドモード

色や明るさ、不透明度や背景に応じ、テキストや画像の透かしを写真内に埋め込む方法を調整できます。 ブレンドモードを使用するには、多少の経験が必要になります。結果は透かしの種類、設定、透かしを埋め込む写真に大きく左右されます。 ブレンドモードには 7 種類あります。

画像とテキストの透かしの埋め込み

透かしツールは柔軟性が高く、画像 (ロゴなど) とテキストの両方を同時に埋め込むこともできます。

  1. 透かしのサブパレットで [画像] ボタンをクリックし、画像の透かしを埋め込む場合と同じステップに従います。
  2. 画像が埋め込まれたら、 [テキスト] ボタンをクリックして、テキストの透かしを埋め込む場合と同じステップに従います。

プリセットの作成、適用、管理

複数の種類の透かしを使用したい場合、プリセットとしてサブパレットで好きな数だけ透かしを作成、保存、適用、編集することができます。

プリセットの作成と保存

  1. 「透かしの埋め込み」または「テキストの埋め込み」の段落のステップに従い、画像またはテキストの透かし、あるいは画像とテキストの透かしを作成します*。
  2. 下側にあるサブパレットで [プリセットを作成する] をクリックします。
  3. 表示されるダイアログボックスで明示的な名前を入力し、 [OK] をクリックして確定します。
  4. サブパレットの上部にあるプリセットリストに透かしの名前が表示されます: これは今、作成したプリセットで、アクティブになっています。

* 画像モードでもテキストモードでも、画像とテキストの両方が考慮され、画像とテキストを含むプリセットを作成できます。 作成可能なプリセット数に上限はありません。

プリセットの適用

  1. [プリセット] リストで、適用する透かしを選択します。
  2. 写真に透かしが埋め込まれます。
  3. サブパレットには、選択した透かしの設定が表示されます。

プリセットの変更

  1. [プリセット] リストで、変更する透かしを選択します。
  2. 写真に透かしが埋め込まれます。
  3. サブパレットには、選択した透かしの設定が表示されます。
  4. 好きなように調整を変更します。 透かしを最初の設定に戻すには、カーブした矢印をクリックします。
  5. 透かしの変更を保存するには、 [更新] をクリックします。
  6. 元の設定の透かしと変更した透かしの両方を保存するには、[プリセットを作成する] をクリックして、新しい名前を入力します。

プリセットの削除

  1. 透かしのサブパレットの [プリセット] リストで、削除するプリセットを選択します。
  2. [プリセット] メニューの右側にあるごみ箱のボタンをクリックします。
  3. 削除を確認するメッセージが表示されたら、 [はい] をクリックします。
  4. [プリセット] リストから透かしが削除されます。

透かしの適用、透かしを埋め込んだ写真のエクスポートとプリント

1枚または複数の写真への透かしの適用

透かしを作成する際には、ビューアー内でも画像ブラウザでも、写真上にリアルタイムで透かしが表示されます。 複数の写真に同時に透かしを適用するには、対象の写真を画像ブラウザで選択します (複数の写真を選択する場合、ビューアーには1枚目 の写真が表示されます)。

透かしを埋め込んだ1枚または複数の写真のエクスポート

選択するエクスポートのオプション (ハードディスク、別のアプリケーションなど) に関わらず、 透かしが画像に適用されます。ただし、次の場合を除きます。

透かしを埋め込んだ写真のプリント

プリントに関しては、以下のような選択肢があります。

アドバイス

透かしを埋めこむかどうかは、白熱した議論になる場合があります。 透かしは本当に写真や作成者の権利を保護するのでしょうか? 透かしにより、写真の表現が損なわれることはないのでしょうか? 透かしを埋め込むことを決めた場合、以下のアドバイスを参考にしてください。

[DxO ViewPoint] パレット

DxO ViewPoint パレットについて

– このパレットは DxO ViewPoint がライセンス認証されている場合のみ表示されます。

– プラグインツールの全説明を確認するには、DxO ViewPoint ユーザーガイドを参照してください。 パース補正ツールと ReShape ツールが DxO ViewPoint パレット外にあるため、DxO PhotoLab ユーザーガイドで説明を確認できます。

DxO ViewPoint をインストールすると、[設定] タグに専用パレットが表示され、以下のツールを使用できます。

DxO ViewPoint ガイドツールは、Adobe Photoshop および Lightroom Classic 用のプラグインとスタンドアロンプログラムでのみ使用できます。

[DxO ViewPoint] パレット

DxO PhotoLab 6 以降、パース補正ツールを常に利用できるようになったため、DxO ViewPoint プラグインには表示されなくなりました。 パース補正ツールは、PhotoLab のジオメトリパレットで利用できます。

ボリューム歪像を補正する

画像の周縁部に位置する被写体の歪みは、屋内写真、イベント写真、結婚写真などでよく発生するジオメトリ的欠陥です。 これはボリューム歪像と呼ばれ、広角レンズまたは広角ズームレンズを使って静物や人物を撮影したり、集合写真を撮る場合によく発生します。 画像の端に位置する被写体が引き伸ばされてしまいます。 DxO ViewPoint パレットには、これを、水平 / 垂直方向、または対角線方向に補正するツールが用意されています。

利用できる様々なツールについて詳しくは、DxO ViewPoint 各バージョンのユーザーガイドをご覧ください。

ミニチュア効果 (DxO ViewPoint 3 以降)

ミニチュア効果は、画像内のピントの位置をずらして、まるでミニチュアやジオラマの写真を撮ったような印象を風景写真に与えることができます。 この効果は俯瞰で撮った都市写真でより効果的です。 [ミニチュア効果] ツールには、ぼかす部分の位置やその強さに大きな柔軟性があります。

ミニチュア効果を有効にすると画像に 2 段階のブラーが表示されます (4 本の補助線が重なって表示)。実線は画像内でピントの合った部分の境界線になり、点線はピントが合う部分と合わない部分の画像内の上下の境界線になります。 ミニチュア効果は画像内のどの部分にも設定することが可能で、360°回転させることもできます。

ブラーの形と強さは調整することができます。また 2 段階のブラーの位置の対称性とブラーの強さの対称性 (2 段階のブラーに異なるブラーを発生することは可能) は無効にすることもできます。

ReShape Fusion ツール(DxO ViewPoint 5 以降)

ReShape ツールを使うと、形を変えることができるグリッドポイントを使って、画像の複数の要素を変更することができます。 このツールは様々な目的で使用できます。

さらに、Reshape Fusionは、形状、ボリューム歪像、水平線などを局所的に調整できるツールを提供しています。さらに、必要に応じて補正の広がりを制御しつつ元のフレーミングを保持します。

水平または垂直方向に反転 (DxO ViewPoint 4 以降)

DxO ViewPoint を有効にすると、DxO PhotoLab に 2 つの反転ツールがインストールされます。

これらの操作は、画像メニュー > [方向]、または右クリック > [方向] から行うことができ、 2 つの操作を組み合わせて使うこともできます。操作はリセットも可能です。

DxO PhotoLab 内で DxO ViewPoint を使う場合の相違点

一部のツールと機能は、プラグインモードの DxO ViewPoint でのみ使用できます。

DxO FilmPack のパレット

このパレットは DxO FilmPack プラグインがライセンス認証されている場合のみ表示されます。

DxO FilmPack パレットを使うと、DxO PhotoLab 内で、フィルム効果や DxO FilmPack で提供される機能をシームレスに使用できます。

DxO FilmPack のパレット

複数のサブパレットとツールを利用できます。

利用できる様々なツールについての詳細はバージョンやエディションに応じて用意されています。DxO FilmPackのユーザーガイドをご覧ください。

タイムマシンは、19 世紀から 2010~2020年代までの写真史を彩った出来事を10年ごとに説明します。 この機能では写真史を確認できるだけでなく、タイムマシンウィンドウを使って提案されるプリセットを直接適用することもできます。

* タイムマシンのレンダリングは、[設定] タブの右上にある [プリセット] ボタンからも使用できます。

DxO FilmPack タイムマシンウィンドウ

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