HDR Efex Pro 2 は現在、Nik Collection 6 の新しいインターフェイスと新機能の導入を進めています。 新しい Nik 6 HDR Efex はまもなく、Nik Collection バージョン 6.3 でご利用いただけるようになります。
HDR Efex Pro 2 プラグインでは、ダイナミックレンジを拡げるために異なる露出設定で撮影された写真を結合したり統合したりできます。つまり、最も暗い階調と最も明るい階調を同じ写真内でレンダリングできます。 32ビットエンジンを搭載した HDR Efex Pro 2 を使うと、クリエイティブな可能性が大きく広がります。ナチュラルなクリエイティブでも非現実的なクリエイティブでも、コントロールポイントを使って選択的に画像を補正したり、全体を補正したり でき ます。

写真: Chris Gorman
HDR Effex Prro 2 へのアクセス方法は、他の Niik Collllecttiion by DxO プラグインとは異なります。 より詳しくは、ホストアプリケーションとのワーフクローを取り上げたセクションを参照してください。
設定とヘルプ
HDR Efex Pro 2 の設定では、インターフェイス、ゴースト画像の処理、GPU 高速処理、画像出力、元の画像とのスタックを選択できます。


HDR Efex Pro 2 を起動したら、左下の [設定] ボタンをクリックします。 浮動ウィンドウで、名前をクリックすると各セクションが開きます。一番上には [インターフェイス設定] が表示されます。
- <b>インターフェイス言語</b><b><sup>*</sup></b>:17 言語からお好きな言語を選択できます。 デフォルトでは、お使いの OS の言語が選択されます。
- 既定のプレビューモード*: 画像を開いた時の表示方法を選択できます。[1枚の画像をプレビュー]、[分割プレビュー] (元画像が左、補正後の画像が右に線で分割して表示)、[並列プレビュー] (補正前と後の画像を横に並列で表示) から選択できます。
- 既定の背景カラー*:背景色を定義します(白、グレー、黒)。
- 既定(デフォルト)の倍率* : [ズーム] ボタンをクリックした際に画像に適用されるズーム倍率(6.25 % ~400 %)を定義します。
画像揃え&ゴースト除去
希望する場合、HDR Efex Pro 2 は一度に撮影された画像、または動きがある要素や移動している要素を含む画像を考慮できます。 また、色収差も補正します。
- 配置*:安定した動かない台で撮影されなかった画像の配置揃えを有効/無効にできます。
- ゴースト除去*:結合する画像シークエンスの動きのある被写体や要素の処理を有効/無効にできます。
- ゴースト除去の強さ*:20% ~100% まで5段階のゴースト除去の強さを使用できます。初期設定の値 は XX % です。 値が高いほどゴースト除去は効果的ですが、それに比例して画像内のアーチファクトとノイズが大きくなります。
- 色収差補正*:色収差は、強い逆光の場合に被写体に沿ったにじみとして現れます。この現象は画像を 結合する際に増幅します。 この補正は有効/無効にできますが、ホストプログラムで元画像に対して事前に行うことをおすすめします。
- 統合ダイアログプレビューの 品質 統合ダイアログのプレビュー品質: [高速] と [詳細] のいずれかを選択できます。 [高速] ではプレビューが速く生成されますが、クオリティは低くなります。 [詳細] ではクオリティが高くなりますが、時間がかかります。
HDR Efex Pro 2 を起動したら、左下の [設定] ボタンをクリックします。
* 上記の各オプションでは、 [前回の設定を使用する] を選択すると、前回のセッションで使用した設定が自動的に適用されます。
GPU(高速処理)
GPU (グラフィックスプロセッサーユニット) セクションには、名前をクリックするとアクセスできます。 ここでは、コンピュータのグラフィックカードを使用して画像処理の計算を行うか選択できます。 このオプションを選択すると、メインプロセッサの負担を軽くできます。 このオプションを選択するには、 [画像処理に GPU を使用] にチェックマークを付けます。 ここには、メーカー、モデル、メモリ、ドライバのバージョン(利用可能な場合)など、GPU に関する情報も表示されます。
画像出力設定
このセクションには [画像出力設定] をクリックするとアクセスできます。ここでは、出力ファイルを設定できます。
- 画像出力形式**:TIFF 8 ビット、TIFF 16 ビット、JPG のいずれかを選択できます。 JPGを選択した場合、 [JPEG品質] スライダを使って圧縮レベルを調整できます。初期設定では 80% に設定されています。
- TIFF 圧縮:TIFF ファイルのサイズを低減したい場合、LZW* または ZIP のいずれかの圧縮方法を選択できます。 または、 [圧縮なし] を選択します。
出力形式を選択する際、ホストプログラムでの同様の設定で異なる選択をしないように注意してく ださい。 ホストプログラムで TIFF 16 ビットを選択し、Nik Collection のモジュールの 1 つで JPEG を選択すると、生成されるファイルは JPEG になります。
スタック
以下のオプションを使うと、一部のアプリケーションから戻された結合した画像の管理や整理ができます。
- 自動読み込み:ホストプログラムに結合された画像を送信します。
- 最初の画像にスタック:ホストアプリケーションから戻った際に、結合した画像をシークエンスの最初の画像とスタックします。
Nik Collection の改善
プログラムによる使用統計情報の送信を希望する場合、このセクションのチェックボックスにチェックマークを付けます。 この情報をもとに、DxO Labs の開発者は製品開発および改善のために、ユーザーがプログラムをどのような方法で使用しているか評価できます。 詳細は、チェックボックスの下にあるリンクをクリックすると確認できます(インターネット接続が必要です)。
選択した内容を保存するには、 [OK] をクリックします。保存しない場合は、 [キャンセル] をクリックします。
ヘルプ
オンラインヘルプのリンクにアクセスするには、 [ヘルプ] メニューを使うか、左下の [ヘルプ] ボタンをクリックします (インターネット接続が必要です)。
- ユーザーガイド。
- よくある質問
- オンラインサポート(サポートチケット作成して、問題を報告したり、質問することができます)
- DxO Academy (チュートリアル、ビデオ、ウェビナー等… )
インターフェイス
一般的に Nik Collection のすべてのプラグインのインターフェイスは同じですが、わずかに違いがあります。 HDR Efex Pro 2 は 5 つの項目で構成されています。

HDR Efex Pro 2 には、画像統合のプレビューウィンドウがあります。 詳しくは、本章の「画像を統合する」ページをご覧ください。
[編集] と [ヘルプ] メニューについて詳しくは、スタンドアロンモードのページ (「枠ーフロー」) を参照してください ([ファイル] メニューはプラグインモードではアクティブになりません)。
上部ツールバー
上部ツールバーには画像の表示およびサイドウィンドウに関連したツールと機能が含まれています。

- 設定パネルの非表示/表示*: 左側のウィンドウを非表示 / 展開します。
- 単一画像の表示: 分割や比較のない画像の通常表示。
- 分割プレビュー : 赤い垂直線を使って画像を 2 つに分けて表示します。 垂直線は左右に動かしたり、直線の上部にある矢印をクリックして水平モードに切り替えたり、上から下に動かしたりできます。 左半分 (または上半分) はプラグインで開いたときの元の画像、右半分 (または下半分) は処理をして補正した画像を表示します。 画像をズームしたり移動することも可能です。 ナビゲーターを使うか、スペースバーを押しながらハンドツールを表示して実行できます。
- 並列プレビュー:処理前のバージョンは左に、処理後のバージョンは右に表示されます。 2 つの画像の間にあるボタンをクリックすると、画像を上下に表示することもできます。 2 つの画像を同時にズームしたり移動することも可能です。 ナビゲーターを使うか、スペースバーを押しながらハンドツールを表示して実行できます。
- 比較: このボタンをクリックすると、補正前と後の画像をすぐに比較できます。 この機能は、単一画像の表示モードでのみ使用できます (2)。
- ズーム**: 画像のズームに使用します。初期設定では 100% に設定されています。 フローティングウィンドウが自動的に開き、画像の拡大した領域が表示されます。 ウィンドウでほかの場所をクリックするか、ナビゲーターの他の場所をクリックすると、拡大領域を移動できます。 [スペース] バーを押しながら、ハンドツールを使って画像上で移動することもできます。 通常の表示に戻るには、 [ズーム] ボタンをクリックします。 [ズーム] ボタン右横の矢印を使うと、他のズーム比率にアクセスできます(6.25% ~ 400%)。 ズームと移動は、分割プレビューと並列プレビューモードでも使用できます。
- 背景カラーを変更: ボタンを連続してクリックすると、背景色がグレーから白、黒に変わり、再びグレーに戻ります。 これにより、画像の明るさに表示を合わせることができます。例えば、暗い画像の作業をする場合、インターフェイスと画像の間のコントラストが大きくなりすぎないように、背景色を暗くします。
- 調整パネルの表示 / 非表示: 右側のウィンドウを非表示 / 展開します。
*[Tab] キーを使うと、2 つのサイドウィンドウを同時に非表示 / 展開できます。
**ズームするには、[スペース] バーを押してから離すと、ズーム前の状態に戻ります。

左側のウィンドウ
左側のウィンドウには、プリセットやフィルタが用意されている [プリセット] セクション、自分のオリジナルのプリセットを保存できる [カスタム] 、他のユーザーからシェアしてもらったプリセットを読み込む [読み込み] セクションがあります。 これらのパレットの使用方法は、「プリセットの使用と管理」のセクションをご覧ください。

このウィンドウには履歴パレットもあります。 ここには、画像に適用したすべての処理ステップと調整内容が時系列に表示されます(古いものが上、新しいものが下)。 特定のステップでの画像を確認するには、該当するステップをリストでクリックします。 選択したステップは黄色、それ以前のすべてのステップ (上部) は白、それ以降のすべてのステップ (下部) は灰色で表示されます。その段階で補正を実行すると、灰色のステップは削除されます。
[統合設定] ボタンをクリックすると、統合ウィンドウに戻ることができます(「画像を統合する」ページを参照してください)。

分割プレビューまたは並列プレビューモードでは、左端に黄色い矢印で履歴セレクターが表示されます。 このセレクターを移動すると、履歴のステップを左の画像に適用できます。
画像の表示領域

画像はここに表示されます。背景のグレーは、上部ツールバーで [背景色を変更する] ボタンをクリックして変更できます。
ウィンドウには次の 2 つのセクションも含まれます。
- ファイル名と拡張子
- サイズ(メガピクセル)
- ISO 感度
- 撮影カメラ
右側のウィンドウ

右側のウィンドウには、左側のウィンドウで選択したプリセットやエフェクトに応じてツールが表示されます。 同時に、共通機能も表示されます。
- セクションのエフェクトを有効 / 無効にする: パレット名の左側のチェックボックスのチェックを外すと、その画像に適用されたツールや調整が一時的に無効になり、 すばやく比較できます。 ツールや調整を再び有効にするには、チェックボックスにチェックマークを入れます。
- セクションのすべての設定を既定値にリセット: 曲線カーブをクリックすると、このセクションのすべてのツールと調整を一度にリセットできます。
- セクション名のバーまたは左側の矢印をクリックすると、セクションを閉じる/開くことができます。
- スライダをダブルクリックすると、リセットできます。
- 部分調整:コントロールポイントと関連する機能について詳しくは、「補正ツール」のページをご覧ください。
ルーペとヒストグラムセクションも、使用するツールにかかわらず使用できます。 ルーペとヒストグラムを切り替えるには、タイトルバーの下でマウスを動かしてセレクターを表示させ、希望するオプションをクリックします。

- ルーペ :
- 画像でカーソルを移動すると、リアルタイムで 200% に拡大したプレビューが表示されます。
- ルーペは画像の特定の場所に固定することもできます。 タイトル名の右側にあるピン留めアイコンをクリックしてから、画像の希望する場所でクリックします。 固定を解除するには、再びピン留めアイコンをクリックします。
- ルーペが固定されているかにかかわらず、ルーペの中でクリックしてから画像内で移動させることもできます(中央に表示される画像は、ズームされていても動きません)。

- ヒストグラム :
- クリップシャドウを表示/クリップハイライトを表示: ルーペ / ヒストグラムモードのセレクターの両端にある 2 つのボタンを使うと、赤色レイヤ (濃すぎる強いトーン) または青色レイヤ (白くなった明るいトーン) でトーン上限が表示されます。
- デフォルトでは、ヒストグラムはすべてのチャンネルを表示します。 ヒストグラムをクリックすると、チャンネルの色が赤、緑、青、白、全色の順に切り替わります。
下部ツールバー
下部ツールバーには、ヘルプへのアクセス、プラグインの設定、保存機能があります。

- ヘルプ*:オンラインユーザーガイドにアクセスできます。
- 設定*: プラグインオプションウィンドウを開きます。
- 前 / 次: 同じセッションで複数の画像が開かれている場合、前または次の画像へ移動できます。画像数も表示されます。
- 保存して後で編集を再開する (ファイルが大きくなる)**: 非破壊ワークフローを有効にします。 [?] ボタンをクリックすると、 このワークフローの情報ページが開きます (インターネット接続が必要です)。
- キャンセル: 実行中の処理と補正をキャンセルし、プラグインを閉じます。 ホストアプリケーション内の画像は変更されません。
- 保存 / すべてを保存: 処理と補正を保存し、プラグインを閉じます。 ホストアプリケーション内の画像も変更されます。 [すべてを保存] ボタンは、プラグインで複数の画像が開かれている場合に表示されます。
* 詳細については、「設定とヘルプ」を参照してください。
** Niik Collllecttiion 3からの非破壊ワークフローについて詳しくは、「ワークフロー」ページを確認してください。
キーボードショートカット
アクション選択 | Windows | Mac |
ハイライトクリッピング | Shift + H | Shift + H |
シャドウクリッピング | Shift + S | Shift + S |
キャンセル | Ctrl + Z | Cmd + Z |
やり直し | Ctrl + Y | Cmd + Y |
全画面表示 | F | F |
ファイル名のプレビュー | P | P |
コマンドパレットを表示/非表示 | Tab | Tab |
フィルターを適用 | Enter | リターン |
フィルターをキャンセル | Esc | Esc |
ズーム | スペースバー | スペースバー |
ズームイン | Ctrl + [+] | Cmd + [+] |
ズームアウト | Ctrl + [-] | Cmd + [-] |
サイズに合わせてズーム | Ctrl + 0 | Cmd + 0 |
100 % にズーム | Ctrl + Alt + 0 | Cmd + Alt + 0 |
カラーコントロールポイントを追加する | Ctrl + Shift + A | Cmd + Shift + A |
コントロールポイントを削除 | Del | Del |
コントロールポイントの複製 | Ctrl + D、Alt + ドラッグ、または Ctrl + C でコピーし、Ctrl + V で貼り付け | Cmd + D、Alt + ドラッグ、または Cmd + C でコピーし、Cmd + V で貼り付け |
コントロールポイントを展開/折りたたみ | E | E |
コントロールポイントをグループ化 | Ctrl + G | Cmd + G |
コントロールポイントをグループ化 | Ctrl + Shift + G | Cmd + Shift + G |
画像を統合する
HDR Efex Pro 2 での作業には、画像の統合と HDR 画像の処理の 2 段階があります。 このページでは、画像の統合を説明します。画像の統合には特別なインターフェイスと統合設定ウィンドウを使用し、画像の統合に固有の問題を処理します。 元の画像が統合されたら、HDR 画像がプラグインに表示されます。
HDR Effex 2 のアクセスと使用は、特にホストアプリケーションに対する特別なワークフローをベースにしています。 詳しくは、「ワークフロー」のページをご覧ください。
画像を開く
HDR 結合のために露出の異なる複数の画像を選択し、HDR Efex Pro 2 への転送を実行すると、[統合設定] ウィンドウで画像が開きます。このウィンドウには、次のオプションがあります。

- 画像サムネイルがファイル名別にウィンドウの上部に表示されます。 一番暗い画像は左に、通常の露光の画像は中央に、一番明るい画像は右に表示されます。 連続した画像が 3 枚以上ある場合にも、同様に表示されます。 画像を 2 枚しか開かない場合も同様です。*
- 各画像の差が 3 EV を超える場合、結合のクオリティが低くなる可能性があるという警告メッセージが表示されます。ただし、作業は継続できます。 または、差の少ない画像を選択するか、中間の画像を追加することもできます。
- 黄色い警告マークは、HDR Efex Pro 2 が画像を統合するのに必要なメタデータや情報 (焦点距離、画像サイズなど) に関する問題があることを示します。一部のケースでは、それでも HDR Efex Pro 2 は統合を実施し、必要な場合には自動クロップを行います。

露出の差に関連した問題がある場合、黄色い警告マークに加え、露出の調整メニューが画像の下に表示されます。

- サムネイルの下には、画像間の露光の差を手動で個別に調整できるメニューが表示されます (ブラケット技術)。何らかの理由で HDR Efex Pro 2 が画像の EXIF メタデータ内でこれらの情報を自動的に検出できない場合に使用できます。
- バルク画像ごとに露光の差を定めることもできます。これには、右側にある [EV 値] (露光間隔) メニューで値を 1 つ選択します。 例えば、「3」を選んで、最も暗い画像と中間画像の間、および中間画像と最も 明るい画像の間で、3 絞り (または 3 EV) の差を適用するとします。 その場合、最も暗い画像と最も明るい画像の差は 6 絞り (3 EV + 3 EV = 6 EV) になります。
- EV 値と EV 値の差を操作するごとに、最終画像のプレビューが更新されます。
* HDR Effex Prro 2 に画像を 1 枚だけ転送する場合、この画像は統合ウィンドウを通らずに直接開かれます。その場合、単一画像の HDR モードで作業できますが、ダイナミックレンジには制限が生じます。
** ここで説明している露出値は、EV値 (Exposure Value) を指します。 簡単に示すと、1 EV = 1 絞りです。
問題の処理
画像を統合する前に、HDR Efex Pro 2 で一部の問題を補正し、プレビューできます。 以下の各オプションは、チェックボックスをクリックしてチェックマークを外すことができます。

- 画像揃え: 三脚なしで撮影された一連の画像をできる限り揃えます。
- ゴースト除去*: 画像で移動している要素 (歩行者、車など) をアルゴリズムが検出し、繰り返しを避けることができます。 除去の強さを選択できます。値が大きいほど効果は大きくなりますが、計算時間に反して、アーチファクトが発生したり、最終画像にノイズが発生する可能性があります。
- 色収差補正*: 強いコントラストのせいで発生する、境界沿いの色のついたボケを低減します (画像の周縁部に位置している、明るい空の前にある木の枝など)。 ただし、この現状はホストアプリケーションで元のファイルを使って修正することを強くおすすめします。
* ゴースト除去と色収差の除去の結果は、統合した画像のプレビューで確認できます (以下を参照してください)。
統合した画像のプレビューと確認
HDR 統合後の画像のプレビューは、インターフェイスで確認できます。 結果は、EV 値の差の手動調整に応じて変わります。

すぐ下にある [プレビューの露出を調整する] *スライダーでは、統合した各画像のプレビューを表示でき、各スケールの両端に EV 値が示されます。
最も暗い画像を表示するにはスライダを左端に、最も明るい画像を表示するには右端に、中間の画像を表示するには中央にスライダを移動します。
ゴーストと色収差を確認するため、スライダを使って画像を暗く/明るくすることもできます。
そのためには、 [ルーペ] ボタンをクリックした後、以下を行います。

- ルーペを画像の上に移動して、赤い長方形を使って好きな場所に配置します。 ルーペを配置したら、赤い長方形内の画像がルーペに表示されます。
- ルーペの上部で [ゴースト除去] または [色収差補正] をクリックして、表示モードを変更できます(アクティブなモードは黄色で表示されます)。
- ルーペを閉じるには、 [ルーペ] ボタンをクリックします。
*スライダはプレビュー画像の明るさだけを調整します。統合の結果にはまったく影響しません。
HDR 統合を起動する
調整を実行したら、画像の統合を起動します。

- [HDR 作成] をクリックします。
- HDR Efex Pro 2 のインターフェイスに切り替わり、実行中の処理は進捗バーで示されます。
調整を変更するために統合設定ウィンドウに戻る場合、

- 左ウィンドウの [ヒストリー] セクションに進みます。
- セクション上部で [統合設定] ボタンをクリックします。
プリセットの使用と管理
プリセットセクション
プリセットライブラリには、HDR Efex Pro 2 でご利用いただけるエフェクトが用意されています。プリセットはサムネイルで表示され、開いている画像に各プリセットが適用されます。 プリセットを使うと、HDR Efex Pro 2 を簡単に使用できます。まずはプリセットを使った後で、カスタマイズしたプリセットを作成してもよいでしょう。プリセットはワンクリックで画像に簡単に適用できます。
プリセットのカテゴリー
カテゴリーを使って、プリセットを絞り込むことができます。 カテゴリー名をクリックすると、そのカテゴリーのプリセットだけが表示されます。 [すべて] のカテゴリーをクリックすると、すべてのプリセットが表示されます。 カテゴリーは以下の通りです。

- すべて:すべてのプリセットを表示します。 リアル
- 建築 風景
- アート シュール
- 最近使ったプリセット:最後に使ったか、使おうとしたプリセットを表示します。
- お気に入り:お気に入りのプリセットを表示します (お気に入りへの追加方法は、以下を参照してください)。
- アン・ヴォーグ:Nik Collection 2 および 2.5 で新たに追加されたプリセットです。
お気に入りに追加する

プリセット名の左横にある星をクリックすると、 [お気に入り] カテゴリーに追加できます。 プリセットをお気に入りから外すには、もう一度星をクリックします (白い星:お気に入りではないプリセット、黄色い星:お気に入りのプリセット)。
[カスタム] セクション
[カスタム] セクションには、自分でカスタマイズしたプリセットを他のプリセットと分けて保存できます。このセクションを使うと、ワークフローを簡単に整えられます。 カスタムプリセットには、自分で設定した調整、レシピやエフェクトが含まれます。カスタムプリセットは、Nik Collection の他のユーザーとシェアしたり、他のユーザーのカスタムプリセットを使うこともできます。

- 現在の画像の設定で新規カスタムプリセットを作成します ( [+] ボタン):このボタンをクリックすると、現在行っている調整をカスタムプリセットとして保存できます。 プリセットに名前をつけると、 [カスタム] セクションにサムネイルが追加され、後で使用できます。
- プリセット名を変更:サムネイルの下に表示されるプリセット名をクリックすると、入力フィールドが表示されます。 新しい名前を入力したら、[Enter] キーを押して確定します。
- お気に入りに追加:星マークをクリックすると、プリセットライブラリの [お気に入りセクション] に追加されます (星が黄色になります)。 プリセットをお気に入りから外すには、もう一度星をクリックします (星が白色になります)。
- クリックしてこのプリセットを削除:プリセットの上でマウスを動かすと、サムネイルにボタンが表示されます。 左上の [X] をクリックすると、 [カスタムセクション] からプリセットを削除できます。 削除機能は、インポートしたプリセットとカスタマイズしたプリセットのみ使用できます。
- クリックしてこのプリセットを書き出し:プリセットの上でマウスを動かすと、サムネイルにボタンが表示されます。 右上のボタンをクリックすると、プリセットを書き出してシェアできます。 表示されるシステムダイアログでファイル名を入力し、保存場所を選択してから [保存] をクリックします。
- クリックしてこのプリセットを現在の設定に更新:プリセットの上でマウスを動かすと、サムネイルにボタンが表示されます。 右側のウィンドウのツールを使ってプリセットを調整した場合、右下のボタンをクリックすると、プリセットを更新できます。
- すべて書き出し:左側ウィンドウの下にあるこのボタンをクリックすると、システムダイアログが開き、フォルダにすべてのプリセットを一度に保存できます(フォルダは事前に作成する必要があります)。
*このオプションは、カスタムプリセットにだけ使用できます。プラグインに用意されていたプリセットでは使用できません。
[読み込み] セクション
このセクションには、他のユーザーからシェアしてもらったプリセットやダウンロードしたプリセットが保存されます。

- プリセットを読み込みます ( [+] ボタン):このボタンをクリックするとシステムダイアログが開き、読み込むプリセットを探すことができます。 プリセットを選択したら、 [開く] をクリックします。 読み込んだプリセットは、 [読み込み] セクションに
サムネイルで表示されます。
- クリックしてこのプリセットを削除:プリセットの上でマウスを動かすと、サムネイルにボタンが表示されます。
- 左上の [X] をクリックすると、[読み込み] セクションからプリセットを削除できます。 削除機能は、インポートしたプリセットとカスタマイズしたプリセットのみ使用できます。
- クリックしてこのプリセットを書き出し:プリセットの上でマウスを動かすと、サムネイルにボタンが表示されます。 右上のボタンをクリックすると、プリセットを書き出してシェアできます。 表示されるシステムダイアログでファイル名を入力し、保存場所を選択してから [保存] をクリックします。
- すべて書き出し:左側ウィンドウの下にあるこのボタンをクリックすると、システムダイアログが開き、フォルダにすべてのプリセットを一度に保存できます(フォルダは事前に作成する必要があります)。
*このオプションは、カスタムプリセットにだけ使用できます。プラグインに用意されていたプリセットでは使用できません。 読み込んだプリセットは、更新や名前の変更はできません。 更新や名前の変更をするには、調整を変更してから新しいプリセットとして保存してください。
調整ツール
HDR Efex Pro 2 の調整ツールを使うと、プリセットの HDR 仕上がりを選択するだけでなく、さらなるクリエイティビティを発揮できます。 HDR 方式(トーン圧縮、色相、カラー)の調整に加え、コントロールポイントを使って部分調整を行うこともできます。
HDR Efex Pro 2 の HDR 処理エンジンはエンドツーエンドで 32 ビットです(RAW ファイルと TIFF ファイルは 16ビット、JPEG ファイルは 8 ビット)。
グローバル調整

HDR 画像を統合して開くと、プログラムが既定の仕上がり(01 – デフォルト)を適用します。 これをベースに、以下を行うことができます。
- HDR Efex Pro 2 ライブラリで使用できるプリセットを適用して保存する。
- 既定のプリセットをベースに、自分で調整を適用する。
- 他のプリセットを適用して、調整する。
2 番目と 3 番目の選択肢では、右側ウィンドウのツールを使って、トーン圧縮、トーン、カラーの調整、コントロールポイントを使った部分調整、最終調整の適用を行えます。

トーン圧縮
トーン圧縮とは、明るさの大きな乖離を低減し、画像のダイナミックレンジでディテールと情報を回復し、特定の仕上がりを与えることです。 これには、次の設定を組み合わせることができます。

- トーン圧縮*:異なるトーンの明るさを調整します。
- メソッドの強さ*:HDR メソッド(以下を参照)とトーン圧縮の調整を組み合わせた効果を調整できます。
- HDR メソッド*:最初に選択したプリセットに応じて、HDR Efex Pro 2 は次の設定に異なるレベルを適用します。
- 奥行き:HDR 仕上がりの一般的な効果に作用します(オフ、少し、通常、強さ)。
- ディテール:ディテールレベルを極限まで強化できます(ソフト、リアル、アクセント、ディテール、グランジ)。
- ドラマ:ディテールのコントラストに作用し、極限レベルまで調整できます(フラット、ナチュラル、ディープ、うす暗い、シャープ、ざらつき)。
アドバイス:まず HDR メソッドを調整してから、トーン圧縮、メソッドの強さの順に調整してください(以下の項目の 3、1、2の順に作業してください)。
トーン
トーンパネルのスライダでは、画像の明るさと全体的なコントラストを調整し、ディテールやテクスチャを強調できます。

- 露出:画像の全体的な明るさを調整できます。左に動かすと暗くなり、右に動かすと明るくなります。また、次の 2 つのスライダを使って、スペクトルを微調整できます。
- シャドウ:画像の最も暗いトーンの明るさを調整します。
- ハイライト:画像の最も明るいトーンの明るさを調整します。
- [トーンカーブ] セクション:カーブを使って、画像のコントラストを微調整したり、完全に調整しなおしたりできます。 カーブのプリセットを使うことも、カーブとレベルスライダを使って調整することもできます。
- ブラック:右に動かすと暗い領域を微妙に明るくしてディテールを回復します。
- ホワイト:左に動かすと明るい領域のディテールを微妙に暗くしながら保持し、右に動かすと明るさを追加できます。
- ストラクチャ:画像の小さなディテールとテクスチャを、右に動かすと強化し、左に動かすと拡散します。
カラー
カラーパネルでは、彩度を全体的に低減または強化して、画像に温かみや冷たさを与えられます。

- 彩度:スライダを右に動かして色を鮮やかにするか、左に動かして色をグレーレベルまで段階的に低減できます。
- 色温度:このスライダでは、あらゆる写真編集ソフトウェアで使用されるホワイトバランスの原則を採用しています。 右に動かすと画像に温かみを与え(イエローを追加)、左に動かすと冷たさを与えられます(ブルーを追加)。
- 色かぶり:色温度の調整後に発生する可能性がある色かぶりを調整します(右はグリーン、左はマゼンタ)。
部分調整
部分調整を使うと、画像の一部だけを変更できます。 コントロールポイントを追加して該当のスライダを調整する場合、コントロールポイントで選択された項目または領域だけが影響を受けます。 HDR Efex Pro 2 では、コントロールポイントはグローバル調整を引継ぎ、選択した HDR メソッドをさらに調整できます。
コントロールポイントに関する情報と機能の詳細は、コントロールポイントのページを参照してください。
コントロール ポイント

- [コントロールポイント] ボタン:このボタンをクリックすると、コントロールポイントが追加されます。 マウスカーソルの表示が変わり、画像上でクリックするとコントロールポイントを追加できることがわかります。 コントロールポイントは好きな数だけ追加できます。 コントロールポイントを追加したら、以下の設定を適用して調整できます。
- サイズ: このスライダでは、コントロールポイントによって調整される範囲を設定できます。 カラー、明るさ、コントラストなど、コントロールポイントの対象となる画像のすべての要素に、以下の調整と補正が適用されます。
- コントロールポイントを追加したら、以下の設定を適用して調整できます。
- 露出 (Ex):選択された範囲あるいは被写体の明るさを調整します。 コントラスト(Co):選択された範囲あるいは被写体のコントラストを調整します。
- 彩度 (Sa):選択された範囲あるいは被写体の彩度を調整します。
- ストラクチャ(St):選択された領域や被写体のストラクチャ(ディテールとテクスチャの復元)を調整できます。
- ブラック(Bk):選択された領域や被写体のシャドウ部を強調または低減します。
- ホワイト(Wh):選択された領域や被写体のハイライト部を強調または低減します。
- 色温度(Te):選択された領域や被写体に温かみ(イエローを追加)または冷たさ(ブルーを追加)を与えます。
- 色相(Ti):色かぶりを調整します(右はグリーン、左はマゼンタ)。
- <b>メソッドの強さ(</b><b>MS</b><b>)</b><b><sup>*</sup></b>:事前に選択した HDR メソッドを強化または低減できます。
- 4 つのスライダ (Ex、Co、Sa、St) の下にある小さな三角マークをクリックすると、コントロールポイントの他のスライダを表示/非表示にできます。
HDR メソッドとトーン強調はこのスライダで調整できますが、変更はできません。
コントロールポイント
[部分調整] セクションでは、以下のように画像に適用される様々なコントロールポイントを管理できます。 アクティブなコントロールポイントは黄色で表示されます。

- すべてのコントロールポイントの効果を ON/OFF: 画像に適用されたすべてのコントロールポイントと関連する補正や調整を有効/無効にします。サイズ: 点線の円はコントロールポイントの有効範囲のサイズをパーセント表示で示します。
- コントロールポイントの効果を表示/非表示: リストのそれぞれのコントロールポイントの左側のチェックボックスで、コントロールポイントが選択した範囲と関連する補正や調整の表示を有効 / 一時的に無効にできます。
- すべてのコントロールポイントの選択範囲を表示 / 非表示: このボタンを使うと、すべてのコントロールポイントのモノクロームマスクを表示できます。 一度に1つのコントロールポイントのマスクだけを表示するには、リストの右側にあるチェックボックスにチェックマークを入れます。 モノクロームレイヤでは、白は補正が100%提供される領域を示し、黒は補正がまったくない領域を示します。 部分的に補正が適用されている部分はグレーで表示されます。
- 各コントロールポイントのサイズを % で表示します。
- [グループ化] ボタン: 複数のコントロールポイントを事前に選択し (コントロールポイントをカバーする長方形を描くか、[Ctrl/Cmd] キーを押しながらクリック)、このボタンをクリックしてグループ化します。 リストでは、選択したコントロールポイントは数字のついたグループにグループ化されます。 コントロールポイントの 1 つに調整を適用すると、その調整はグループの他のコントロールポイントにも適用されます。 ただし、グループの各コントロールポイントのサイズスライダは、個別に調整できます。
- [グループ解除] ボタン: コントロールポイントのグループを削除するには、リストでグループを選択して、このボタンをクリックします。 すべてのコントロールポイントが個別に表示されるため、削除や変更をしたり、個別のコントロールポイントから新しいグループを作成したりできます。
- [複製] ボタン: このボタンをクリックすると、選択されているコントロールポイントとコントロールポイントのグループを複製できます。 [Alt/Option] キーを押しながら (カーソルは [+] になります) コントロールポイントの上をクリックして複製することもできます。
- [削除] ボタン: このボタンをクリックすると、選択されているコントロールポイントとコントロールポイントのグループを削除できます。
最終調整
[最終調整] セクションでは、クリエイティブな調整を行えます。ヴィネット、グラデーションを適用したり、トーンカーブを使ってコントラストをさらに調整できます。

- [ヴィネット] セクション:このツールを使うと、画像の周縁部を暗くしたり明るくする効果を適用でき、ヴィンテージ効果を加えたり、被写体に注目を集められます。
- [ヴィネット] のドロップダウンメニュー:初期設定では [無効] (ヴィネットなし)に設定されています。リストの上でマウスを動かすと、画像上で効果をリアルタイムで確認できます。効果をクリックすると、効果を選択して適用できます。 効果をクリックすると、効果を選択して適用できます。
- 中心を決める:このボタンをクリックすると、中心をずらしてヴィネット効果を配置できます。 カーソルが [+] になり、画像内でヴィネットの中心となる部分をクリックして設定できます。 位置を変更するには、ボタンをもう一度クリックして同じ操作を繰り返します。
- 量:適用される [ヴィネット] の強さを調整できます。 スライダを左に移動すると、ヴィネット効果が黒くなり、右に移動すると白くなります。
- 円: [ヴィネット] の形を、 [円] と [長方形] の間で変更できます。
- サイズ:画像内で [ヴィネット] 効果がかかる範囲を調整できます。

- [グラデーション] セクション:カラーを変えることなく、上部と下部の階調を調整できます。
- 上部の階調:画像の上部2/3に対して、明るさ/暗さのレベルを調整します。
- 下部の階調:画像の下部2/3に対して、明るさ/暗さのレベルを調整します。
- ブレンド:画像内の境界推移 (0% ではっきり、100% で拡散) と上部/下部の色調境界をコントロールできます。
- 垂直方向に移動:強さを拡大または縮小できます。
- 回転:エフェクトの回転角度をコントロールできます。

- [トーンカーブ] セクション:カーブを使って、画像のコントラストを微調整したり、完全に調整しなおしたりできます。カーブのプリセットを使うことも、カーブとレベルスライダを使って調整することもできます。
- [トーンカーブ] メニュー:既定値では [ニュートラル] に設定されています。 コントラスト、銀塩フィルムのコントラスト、トーニングのプリセットを選択できます。 既定の設定を調整して、カーブを自由に設定できます。
- [チャンネル] メニュー:初期設定では [RGB] (レッド、グリーン、ブルー)に設定されています。 色調を調整するチャンネルを選択できます。 たとえば、 [コントラスト オンリー] は写真全体の色への影響を抑えてコントラストを調整できます。
- トーンカーブ:カーブをクリックして調整したり、アンカーポイントを追加します。 アンカーポイントを使うと、コントラスト設定をカーブの特定の場所、つまり画像の特定の場所にロックできます。 アンカーポイントをダブルクリックすると、そのポイントは削除されます。
- レベルカーブ:スライダを暗いトーン (左)、中間トーン (中央)、明るいトーン (右) に動かして、それぞれのレンジを調整します。
